【翻訳家になるには】単語レベルから意味レベルの翻訳を目指す

みなさんこんにちは!
英日翻訳家デビュー講座コース担当インストラクターのK. Yukaです。

今回は、「正確な翻訳」を目指して丁寧に翻訳したはずなのに
出来上がった翻訳がなぜか読みにくかったり、
流れが悪いように感じられたり、
日本語として自然に読めなかったりする理由、
そしてその解決策についてご説明します。

忠実に訳したはずなのに……

翻訳には文芸翻訳、ビジネス翻訳とおおまかに2つの分野があります。
そして、そのいずれの道を進むにしても、翻訳では翻訳者独自の解釈や私情はなるべく交えず、
原文に忠実に訳していくことが欠かせません。

そのため、翻訳作業前の下読み段階では、原文の一語一語に丁寧に当たり、
その意味を正確にとらえられるよう全力を尽くす必要があります。

また、翻訳のセミナーやスクールなどでも、
まずは原文テキストの意味をきちんと理解するようにと教えられることがほとんどです。

しかし、単語レベルで正確な翻訳をしてみて、
いざ読み直しや校正を始めてみると、日本語が何だか不自然で
「こんなはずではなかったのに」と
愕然とすること、よくありませんか?

翻訳というよりは学校英語の試験の和訳問題のようで、
意味は通じているようでも商品として売れる翻訳ではない、
という状況になることもあります。

では、単語レベルの意味にこだわって翻訳すると、かえって不自然な翻訳が生まれるのはなぜでしょうか?
また、どうしたらすんなり読める日本語にできるのでしょうか?

 

最終的には意味レベルで翻訳する

まず、翻訳の最終目的は何か、考えてみましょう。
単語レベルで正確に訳していくだけなら、
正直機械翻訳でことが足りてしまいますよね。

その機械翻訳に頼らずあえて人力で翻訳するということは、
人力翻訳ならではの要素が必要とされているということです。

その要素とは、まるで原文著者がそのまま書いたような、
意味の伝わる読みやすい翻訳に仕上がっていることです。

つまり、単語をひとつひとつ訳出したのではなく、
著者の意図するところが自然に織り込まれた
完成された翻訳になっている必要があります。

例えば、
he store opens at 11:00 am and closes at 7 pm.
という英文があったとします。

これを直訳すると「その店は午前11時に開店し、午後7時に閉店する」ですが、
そのままだと正確ではあるものの文がぎちぎちした印象です。

では、「意味レベルの翻訳」を意識し、この訳文をもっと自然にしてみましょう。

このとき、「店」にとっての「午前11時に開店し、午後7時に閉店」
は一体何を指すのか、一歩引いて考えるとやりやすいです。

そう、「午前11時に開店し、午後7時に閉店」とは
つまりお店の営業時間について言っていることが分かりますね。
従って、「その店の営業時間は午前11時から午後7時までだ
と意味を変えずに言い換えることが可能です。

「午前11時に開店し、午後7時に閉店」よりずっと読みやすく、
また意味もしっかり取れていると思いませんか?

 

一歩下がって内容を観察してみる

「営業時間」の例のように、英日翻訳には、
細部まで正確に訳したつもりでもどこか直訳調で、
通じにくい・読みにくい和文になることが少なくありません。

そんな時でも自然な翻訳文を練り上げるには、原文を直接ではなく俯瞰的に観察し、
「これは結局どんなことを言いたい文なのか」と探ってみることが大切です。

英日翻訳家デビュー講座では、こうした「意味をとらえた自然な翻訳の仕方」だけでなく、
様々な翻訳テクニックを学べます。

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ABOUTこの記事をかいた人

学習塾の英語指導や教材作成の経験を持つ講師。現在では英日翻訳も手掛け、日々「ネイティブらしい表現」を目にしています。その経験を生かし、文法面を細かく指導してくれるだけでなくだけでなく、どうしたらネイティブから見ても自然な表現になるのかを丁寧に解説をしてくれます。 座右の銘は「Push myself ever onwards to try new things, and to not be afraid to step outside my comfort zone.」