ラグビーAll Blacksの「Sweep the Sheds」精神から学ぶ、掃除文化の違い

こんにちは、さゆりです。

日本はRugby World Cup で盛り上がっていますね。私もMelbourneでワクワクしながら観戦しています。

優勝候補の筆頭だったAll Blacksは、残念ながら Englandに敗退、3度の連続優勝を逃してしまいましたが、Rugby王国New Zealand の底力をまざまざと見せつけてくれました。 そんな圧倒的な強さを誇るAll Blacksにも、実は暗黒の時代があったようです。

 

All Blacksにもあった、暗黒の時代とは?

英国のQueen Elizabeth からSirの称号を授かったSir Graham Henry は、そんな時代にAll Blacks の監督(2004ー2011年)を務め、現在の隆盛の基盤を作った人です。

数年前にSir Graham が息子の学校でLeadership Educationの一環としてSir Graham の講演会、Panel Discussionがありましたので息子と一緒に聴きに行きました。

Sir Graham の話によると卿が就任当時のAll Blacks は、成績も低迷しており(それでも2003年World Cup 3位ですから、違うレベルの話です)、bullying(いじめ)がはびこり All Blacksの一員としての pressureから(All Blacksの選手は、NZでは間違いなく英雄扱い)、選手たちがRugbyを楽しめない状況だったそうです。そこで氏が取り掛かったのがAll BlacksのCultural Transformation です。

その中で一番有名な「Sweep the Sheds」 について少し説明しますね。

 

Sweep the Shedsとは?

「Sweep the Sheds」

は、文字通り、dressing room (ロッカ-ルーム)をAll Blacksの選手自身が掃除するということです。

背景にある考えは、「All Blacksの選手だからと言って、自分が使った部屋を掃除しないほど偉くはない」という謙虚さ(humility)の精神です。

ある選手は、

 

It’s impossible to achieve stratospheric success without having your feet planted firmly on the ground

 

(地にしっかりと足がついていなければ、飛翔するような成功は達成できない。)

 

とコメントしています。ただ、先日この話を日本の友人としていて、「自分が使った部屋を掃除するのがなんでそんなに偉いの?」と聞かれ、ハッと気付いたことがあります。

日本人には驚き!欧米の学校で生徒は掃除しない!?

海外(欧米)で子供を学校に送った経験のある日本人の多くがびっくりすることの一つは、子供達が学校を自分達で掃除しないことではないかと思います。

小学校から高校に至るまで、公立私立の区別なく学校の掃除は全て業者任せです。自分で掃除する必要がないのですから、なるべく綺麗に使おうとかいう気持ちは生まれませんよね。家に帰れば、掃除は母親かCleanerの仕事です。(英米豪では、Cleanerは日本より遥かに一般的で、共働きの家庭の多くがCleanerに頼っています。他人を家に入れるということに対する精神的敷居も低いです。)考えようによっては、一生トイレ掃除を経験せずに人生を終えることも可能なわけです!

 

ですから、「Sweep the Sheds」の真の重要性というのは、このような文化的相違を理解する必要があると思います。数年前Russiaで開かれたサッカーのWorld Cup では、日本代表がロッカ-ルームを綺麗にして退出したことが話題になったのも、このような文化的背景があるからだと思います。

 

「おもてなし」ではありませんが、日本の子供達が学校を自分達で掃除するのはとても良い文化/習慣だと思うので、寿司と同じで世界に広まって欲しいものです。

 

“Sir Graham Henry”、“Sweep the Sheds”で検索すると沢山のArticle が出てくるので、是非みなさんも調べてみてください。

 

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現在、オーストラリアのメルボルンに在住です。 日本を1991年に離れ、オーストリア、アメリカなどに居を構えました。20年近く、外資系金融機関で、リサーチ、営業に携わってきたので、専門は、金融/経済/会計ですが、現在は幅広く翻訳の仕事をしています。