【翻訳家になるには】Political correctnessについて、考えてみましょう!

【翻訳家になるには】Political correctnessについて、考えてみましょう!

皆さん、こんにちは。翻訳講座を担当しているSatokoです。

最近NHKを見る回数が増え(年を重ねてきたからでしょうか…笑)、
我が家の朝はNHKのニュースから始まります。
夫と二人で家事をやりつつ見ているのですが、つい先日、ある女の子の話に目が留まりました。

小さい頃からボーッとしたり、忘れ物も多く学校でよく叱られていた女の子。
大きな音も苦手で、ヘッドフォンが必要なようです。
生きづらさを感じていた女の子が(自閉症=autismの一種という診断のようなのですが)
自分の障がいについて多くの人に知ってもらおうと、
母親とYou tubeを通して自分の日常生活を発信し始めた、というニュースでした。

 

言葉は時代によって変化する

このニュースを見ながら、
「障害」という漢字が「障がい」へと変更されてきていることを思い出しました。
「害」という漢字にネガティブな意味や印象があるからだと思いますが、
このように、言葉は時代によって常に変化をしています。英語でも本当に色々な言い方があり、
それに対する印象も人それぞれのようです。

people with disabilities

disabled people

handicapped people

mental disorder

mentally-challenged/physically-challenged

hearing impaired

seeing difficulties

 

個人的には「disable」という「able」に否定形がつく言い方に違和感を覚えるのですが、
言葉によっては(〇〇challenged等)「遠回しな表現が過ぎる」という意見もあるようです。
人が人を傷つけないようにと思っていても、それが行き過ぎてしまうとかえってその言葉に違和感を抱く人もいる。

こう考えると、共通理解を促す言葉をつくるのは、本当に難しいですね。
その人自身が、どのようなスタンスで、どのようにその言葉を理解して使っているのかというのが、
とても大事な気がします。

 

「Political correctness」とは?

タイトルにも書きましたが、
このように

「社会的な差別や偏見が生まれないように、思慮深く、分別ある正しさ」やその概念のこと

「Political correctness」と言います。

政治的、とい意味合いもあるようですが(一般的にはそのように説明されていることも多いですが)、
Politicalの意味をこう捉えた方が、私としては今の時代にしっくりくるような気がしています。

「看護婦」が「看護師」へ、
「スチュワーデス」が「キャビンアテンダント」という呼び方へ変わったのも一つの例だと思いますし、
海外では最近、「he」や「she」と呼ばれることを不快に思う人々がいることに考慮し、そのような人たちの代名詞を「they」とすることもあります。

 

こんなにグローバル化が進み、多様性あふれる世界になるなんて、
学生の頃は想像もできませんでしたが、時代の変化を楽しみ、適応しながら生きていきたいなぁと、
ブログを書いていて思いました。

 

 


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ABOUTこの記事をかいた人

高校時代に1年間イギリスへ留学し、日本人が誰一人いない町で地元の高校に通う。まったく言葉が通じない最初の3ヶ月間は辛かったが、ある日「school」の正しい発音を習得!ホストファミリーにも恵まれ、そこから楽しい留学生活を送る(思えば、ここが出発点だったかも?)。大学卒業後から1年半をイタリアで過ごし、帰国後は映画配給会社に就職。映画のシノプシスや作品の字幕翻訳に携わる。その後、デザインやアートに関する展覧会のPRマーケティング、海外教育機関とのコミュニケーションやコーディネーション業務などに従事した後、独立。現在は、出版や映像翻訳の他、通訳や英語でのインタビュアーなども務める。 『基本はアクティブ。走ること、泳ぐこと、山歩くことが好き。人混みはあまり好きではないが、いろいろな感覚が刺激を受けるので、街にも出かける。でもやはり一番のお気に入りは、さわやかな風が吹く中で歩く、自宅近くの海辺。』