【様々な翻訳】それぞれの、 ” No ~ No~ ”

翻訳家になりたい方のための翻訳講座の講師roberto先生の記事。No pain, No gainを翻訳して思うこと。

“No pain, No gain”が気になる

みなさん、こんにちは。イタリア在住のロベルトです。

先日英文の記事を読んでいて、”No pain, No gain” という言い方がなんだか気になりました。

翻訳すると「努力しなければ、何も手に入らない」ですが、この「努力」を「痛み」にリンクさせているところが意味深いと思いました。

確かに、努力を続け、タフな状態になると「痛み」に変わる時があるでしょう。
でも、”no efforts, no gain” でも良いはず。しかも、efforts は一般的にプラスな意味を持っていますが、pain はそうではないですよね。

でも、”no pain, no gain” と言われると、痛みもプラスであると伝わってきます。と思うのは、言葉の文化的側面もついつい気になってしまう翻訳家だからでしょうか(笑)。

Suffering is necessary to achieve something… suffering is necessary for growth

と読み取ることもでき、この言い方は努力の大切さよりも、「痛み」の大切さを教えてくれるように感じます。

pain を efforts として読み取り、gain を reward として読み取ると「とてもアメリカ的な言い方」だと思います。

でも、私の自由な解釈「pain=suffering、gain=growth」からすれば、とても日本的なことわざに感じませんか?「忍耐力の祝い」のような言葉です。

 

音楽もないし、人生もない!?

この No ~ No~ という構造は、とても英語的なつくりだと感じます。

結構むかしのことですが、レコード屋さんで “No Music, No Life” というフレーズを見た私の友人が、「音楽もないし、人生もないってめちゃくちゃ暗いよね。なんでこれが宣伝になるんだ?」と聞いてきたことがあります。

当然ここの意味は、No life without music(音楽がなけれ生きていけない)ですが、英語が得意でない友人にこう言われて「なるほどな」と思いました。確かに、”No Music, No Life” を「どっちもない」という意味にとることもできますね。

日本人の皆さんから見れば、冠詞を使い分ける必要があり、時制が12個もある英語は、ルールが多くてキッチリしていると感じるかもしれません。

しかし、冠詞や名詞・形容詞に性別があり、時制が21個もあるイタリア語が母国語の私から見れば、必ずしも文法的じゃない英語は面白いなぁと思います。

 

Roberto先生の”No ~ No~”は?

さて、私がNo ~ No~ですぐ思いついたフレーズは、“No Maradona, No football” です。Maradonaとは、もちろんサッカー元アルゼンチン代表のディエゴ・マラドーナ。

ちなみに、ここは soccer ではなくて、絶対football でなくてはいけません。別に soccer という言葉に何の問題もないのですが...ただ Maradona と soccer を同じ文章に置くと違和感があります。ここでも(サッカー)文化が気になってしまうのが翻訳家ですね。

 

 


邦楽・洋楽のヒットソングで英語を学ぼう!


名曲を訳しながら解説♪翻訳家の言葉の選び方

名曲を訳しながら解説♪翻訳家の言葉の選び方


プロの翻訳家が実際に訳す過程をイチからお見せします!
文芸翻訳の中でも特に深い読解力と言葉選びのセンスが要求される楽曲翻訳について、一行ずつ丁寧に解説した飜訳集。
日本語・英語の曲、合わせて12曲が収録されています。一緒に翻訳をしていくことで、プロならではの技術が習得できます!

詳細はこちら: https://www.fruitfulenglish.com/customers/G15.html

 

 

 

フルーツフルイングリッシュで英語表現の楽しさ感じてください 。初めての方には英作文添削チケット2回分をプレゼント。
「無料英語テスト800問(解説付)」メルマガも大人気。今すぐチェック!

英語テスト800問・英文添削2回が無料!
翻訳家のたまご

※このブログでは英語学習に役立つ情報アドバイスを提供していますが、本ブログで提供された情報及びアドバイスによって起きた問題に関しては一切、当方やライターに責任や義務は発生しません。
※ここでの情報や助言を参考に英文を書いたり下した判断は、すべて読者の責任において行ってください。ここに掲載されている記事内の主張等は、個人の見解であり当社の意見を代弁・代表するものではありません。

1 Star (45 イイネ!が押されています)
この記事が良いと思ったらイイネ!を押してください。
読み込み中...
 HOMEへ戻る 

コメントする

コメントは認証制です。執筆者に認証されるまでは表示されません。

CAPTCHA


ABOUTこの記事をかいた人

イタリア在住。3言語の通訳・翻訳家。最近は特に、十数年住んだ日本が懐かしくてたまりません。