みなさん、こんにちは。イタリア在住のロベルトです。
日本文化の入り口が漫画やアニメという外国人は多いでしょう。
今はそうでもないようですが、私が子どもの頃は日本のアニメをたくさんテレビでやっていました。
- 北斗の拳
- うる星やつら
- キャプテン翼
- タイガーマスク
- アタックナンバーワン
- ベルサイユのばら
- ダッシュ勝平
- おはよう!スパンク
- キャンディキャンディ
- ドラゴンボール
とても懐かしいです。子どもの頃に買ったイタリア版の漫画本もまだ持っています。
擬態語の不思議:「ぽわわん」って?
さて、日本語を理解するようになって分かったことは、日本の漫画に出てくる擬音語や擬態語(onomatopoeia)の訳が難しいということ。
私自身は、漫画の翻訳を本格的にしたことはなくて、手伝いをした経験しかないですが、結構悩みました。
擬音語はまだ分かります。音を言葉で表すので、ドアを閉める音や叫び声、動物の鳴き声など、耳にした音を文字に変えて理解し合うことは難しくないと思います。
それは他の言語でもありますからね。
困惑するのは擬態語。
例えば「ぽわわん」という言葉です。
少女漫画で主人公の女の子が好きな男の子のことを考えたり、見つめたりする様子の横に書いてあるのを見ましたが、なぜその様子が「ぽわわん」になるのか。
もちろん絵とセットなので、主人公の表情や背景などで「ぽわわん」がどういう意味を持つのか理解できますし、柔らかい感じやふわふわした感じは伝わってきますが、個人的にちょっと実感しにくい感じが残ります。
でも、多くの人が共感しているということは、この「ぽわわん」は状態を表すのに適切な擬態語なのでしょうね。
個人的に、少女漫画の擬態語の方がバリエーションが多くて、訳すのに難しいように感じます。
でも、これは私が男性だからかもしれません。
天才詩人ランボーの「母音」
オノマトペから連想するのはフランスの詩人Arthur Rimbaud(アルチュール・ランボー)です。
彼の言語が一般人とは違う感覚で生み出されるからかな。
Rimbaudの有名な詩に「Vowels(母音)」という詩があります。
ランボーは母音「A・E・I・U・O」にそれぞれ色を付け、「音+色」から言葉をイメージしていきました。
例えば母音Aは黒。それが思い出させるのは「黒いコルセット」です。
イメージするものは人それぞれですが、Rimbaudは言葉についての新しい道を切り開きました。
本当に天才的な発想で、multisensorialなアプローチです!
オノマトペは優れたコミュニケーションツール
コンセプトを音で表すオノマトペは、身近なものでありながらすごく面白い発想です。新たな言語のあり方で、考えれば考えるほど奥が深い。
日本語は、擬音語・擬態語の豊かな言語だと思います。
皆さんがご存じの通り、日本文化には「言霊」というコンセプトがありますね。
言葉が音であり、その音自体に意味やパワーがあります。
「暑い暑い」というよりも「モワッとする」と言う方が、言いたいことが瞬間的に何倍もリアルに伝わってきますよね。
音で伝わる日本語の魅力は大きく、非常に優れたコミュニケーションツールです。
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イタリア在住。3言語の通訳・翻訳家。最近は特に、十数年住んだ日本が懐かしくてたまりません。
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