みなさん、こんにちは。イタリア在住のロベルトです。
この前映画を見ていたら、こんなシーンが出てきました。まずは説明なしで会話を載せますね。
A: The faucet’s really leaking there. Could you come fix it?
B: …
A: Can I tell my mom when?
B: When what?
A: When you are going to fix the faucet.
B: After.
A: After what?
B: After after!
これがどんな状況か、分かりますか?
課題の添削でもたまに目にするあの間違い!
このシーンは、引っ越しをしてきた少年(A)が、アパートの Maintenance Man(B)に「蛇口が壊れているから修理しに来てほしい」と頼んでいるところです。
Maintenance Man は非ネイティブ(移民)です。
実はこの会話の中に、フルーツフルイングリッシュの課題添削でもたまに見かける間違いがあるんですね。
それは Maintenance Man のセリフ「After」。
After は、英語の習いはじめに学ぶお馴染みの英単語ですね。
意味は「後で、後に」と覚えると思います。
でもこの正確な意味は「~の後で、~の後に」です。下記の例のように、after の後ろには必ずその「~」の部分が入らなくてはなりません。
- Repeat after me.
- Anna arrived here after us.
- We always take a nap after lunch.
- Let’s talk about it after I finish my work.
ネイティブは after と言われたら、後ろに「何か」がくると予想しますから、after で終わられると「でっ?」と思ってしまいます。
皆さんも after の後に何も書かずに、講師から添削で言われたことないかな?
とにかく、この映画の中でも、少年は Maintenance Man が「After」しか言わないので、「After what?(何の後に?)」と聞いたんですね。
しかし、言われた Maintenance Man は「後でって言ったら後でだよ!」と苛立ってしまいました。
異文化・別言語では伝わりにくい After の「で?」感
それでは、さきほどのスクリプトを日本語に訳してみましょうか。
A: 部屋の蛇口が水漏れしています。修理に来てもらえますか?
B: …
A:いつ来てもらえるか母に伝えたいんですが。
B: いつって何が?
A: いつ蛇口の修理にきてもらえるかです。
B: 後で。
A: 何の後で?
B: 後は後だ!
例えばこう訳してみました。
この日本語訳の会話の印象は、「Maintenance Man がサービス精神に欠けているため、何時に来てもらえるか分からずに困っている少年が、しつこく聞いている」という感じですよね。
英語ネイティブの感じる違和感は出ないけれど、スムーズな会話です。
実は、イタリア語に翻訳した場合も日本語と同じニュアンスになります。
ただ、荷物の配達ですら2時間おきぐらいに指定できる日本と違って、イタリアは宅配業者が配達日を指定したとしても配達にくるかどうか分からないという国なので、何時に来られそうかしつこく聞くのは正解です(笑)。
とにかく、ここでは Maintenance Man が「後でね」と言いたかったら、later と答えるべきでした。
After はよく知られている単語ですが、使い方を間違えないように気を付けましょう!
イタリア在住。3言語の通訳・翻訳家。最近は特に、十数年住んだ日本が懐かしくてたまりません。
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