【翻訳家の暮らし】アカデミー賞は英語でオスカー?

翻訳者を目指す方のための本格的翻訳講座の講師mihoko先生のブログ。【翻訳家の暮らし】アカデミー賞は英語でオスカー?

親子三代にわたって映画好き

こんにちは!ニューヨークシティよりMihokoがお届けです。

映画。
祖母は父が子供の頃に他界したため、私は会ったことのない人なのですが、大の映画好きだったそう。
暇さえあれば映画館に入り浸っていた祖母に連れられて、父もよく映画館に出入りしていたようなんです。
そんな父ですから映画が大好き。
そしてその影響か私も映画は子供の頃からよく観ています。
好きな映画は…という話になると、ああ〜、止まらなくなる。(苦笑)

 

“the Academy Awards”はちょっと堅い言い方

さて、映画ファンにはお馴染みのアカデミー賞。
年に一度の祭典ですが、自分が好きな俳優や感動した映画が受賞するかなぁ〜と、ドキドキしながら画面に釘づけとなる瞬間もあります。(笑)
この受賞者発表の時に使われるフレーズ、思い出せますか?
そう、“And the Oscar goes to…”
でもこれ、なんで the Oscarなの?

受賞者がもらうトロフィーが 「オスカー像」 だからじゃん!
という声が聞こえてきそう。
そう、あの黄金の立像トロフィーですよね。
アカデミー賞の授賞式をライブで観るようになったのはアメリカに来てからです。
そして、おお!the Oscarって言うんだぁ!と、ちょっと感動(大げさ?笑)したんですよね。

このオスカー像、アメリカでは表現としても定着していて、「アカデミー賞」はアメリカの口語だと “the Oscars” です。
“the Academy Awards” でももちろん正解ですが、カジュアルな口語づかいにはちょっと硬い感じ。
「アカデミー賞観た?」 は、”Did you watch the Oscars?” です。
日本語では 「アカデミー賞」 という表現を主に使うと思いますが、日本語から英語に訳す時、あるいはその逆の場合でも、英語では “the Oscars” の場合があることを覚えておくと良いですね!

 

”And the Oscar goes to…”が初めて使われたのは、あの受賞作!

このオスカーさん、誰?というのも気になります。
ちょっと調べてみたところ、諸説があるよう。
OOさんの夫がオスカーで…とか、
XXさんが 「うちのオスカーおじさんに似てる」 って言ったからだよ…とか。
ということは、確たるモデルがいるわけではなさそうです。
私は勝手に創立者とか、映画業界に偉大なる功績をもたらした誰かがオスカーさんなのかと思っていました。

さらにこんな記事にも遭遇しました。
なんと、”And the Oscar goes to…” というフレーズは、アカデミー賞初回から使われていたわけではないようなんです!
初めてこのフレーズが使われたのは、1988年の第60回アカデミー賞で “The Last Emperor” が映画賞を受賞した時とか。
それまでは受賞者発表のフレーズとして定番の、”And the winner is…” だったとありました。
1988年?しかも “The Last Emperor” !?
この映画、日本の映画館で観た私。
アカデミー賞のフレーズがこの映画から変わったなんて、全く知りませんでした。
(アカデミー賞は初回から、”And the Oscar goes to…” と発表していたと思っていました!)

なぜ “And the winner is…” を止めたのか?というと、 winnerという言葉が “competitive” な印象を与えるからとも書いてありました。
へぇ〜、アカデミー賞の主催者側としてはless competitive が好ましいという考え方なのか、とちょっと意外にも感じましたが、映画界を盛り上げるという意味では、仲間内で競い合ってというより、お互いの成果を認め合ってというスタンスなのでしょうね。
その後2010年に、やっぱり “And the winner is…” に戻そうか?という動きもあったようなのですが、元には戻らず the Oscar のままです。

winnerを使うにしろ、使わないにしろ、この2つは定番フレーズなので、覚えておきましょう!
”The OO Award/Prize goes to XX.” (OO賞はXX さんです)
“The winner is XX.”(優勝者/受賞者は XXさんです)

 

 


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翻訳家のたまご

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1 個のコメント

  • 明治という時代のせいなんでしょうか、僕の爺様も上海でjazz倶楽部を経営し、拳闘興行を主催しておりました。亡命ロシア人から聴いたモスクワの噂話に感化されたのだそうです。
     夢のような噺ですね。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    日本の大学で英語、ロシア語、ラテン語を学びながらフラワーデザイン学校に通いフラワーデザインを習得。翻訳も通信で勉強するがもの足りずニューヨーク・シティに移住。市内の大学で英語を学び直し、フラワーデザイナーとなる。同時に、翻訳や通訳に従事し、日本語や英語の家庭教師を務める。 翻訳実績:主に音楽関係の記事やCDのライナーノート、ブログ記事、履歴書のプロフィール、ビジネスレターなど通訳実績:取材、現地学校における諸行事、プライベートレッスンの場など 息抜きには土いじり、ルービックキューブ、星や月を眺めながらの一杯。クラシックバレエ用ストレッチとヨガを自己流でアレンジした整体をしたり、一指禅、日記を書くことが日課。好きなスポーツはサッカー、バスケットボール、水泳。ジャンルを問わず日々の生活に音楽は欠かせない。