【翻訳家の暮らし】素敵な歯医者さんから渡されたハガキには…

翻訳家講座の講師mihoko先生の記事。

こんにちは!ニューヨークシティよりMihokoがお届けしています。

sabbatical(サバティカル)とは?

sabbatical 、これは翻訳するのが難しい言葉です。外資系や大企業にお勤めの方、大学の教授の方などには「サバティカル」で通じるかもしれません。
でも、「?」という方の方が多いのではないでしょうか。
sabbaticalは「長期休暇」のことで、長いと1年間、短くても月単位です。雇用主から許可を得てとる休暇で有給のこともあります。
仕事で使う専門的な知識や技術を磨くために与えられる休暇で、休暇中に研修などを受ける場合にはその費用も会社持ちだったりします。
現在は多様化し、従業員のニーズに合わせて「自分磨きの休暇」として、仕事とは別分野の知識や技術を探求するためにも使われます。
日本語に訳すとすると、「長期(有給)休暇」や、具体的に休暇中に実践することを言葉にして「自分磨きのための休暇」などでしょうかね… 難しい!

 

前回ブログに書いた、素敵な歯医者さんのもとへ健診に

突然ですが、先日は歯ブラシについて書いた時に、かかりつけの素敵な歯医者さんのことにも触れたのを覚えていますか?

その歯医者さんに、3週間ほど前に定期健診に行ってきました。
しばらくお会いしていなかったので、診察台に横になる前におしゃべりから入りました。

そして、
“I’m going to take a long vacation.” と、先生。
“Sounds great! Are you going away?” どこかお出かけの予定ですか?と話しているうちに、「はい、これ。」と渡されたのは、顧客に宛てたハガキでした。

“To my many friends and patients” で始まるそのメッセージに見つけてしまった、sabbaticalの文字…..
“How long will you be away?” と確認する私に、
“I don’t know. Maybe a year, or could be only a few months. But I’m going to explore myself.”
“Wait. You’re coming back…?”

ここで私の頭によぎったのはretirementです。
sabbaticalはキャリア変更やリタイアメントの区切りとしての休暇の意味でも使われる言葉だからです。

“Well, yes if I get bored. I’ll definitely contribute myself to dentistry. I’ve been very happy to be your dentist, but let me try to have fun outside of work.”

先生は60代後半。歯科医師として40年のご経験がありますが、お孫さんもいらっしゃるし、家族や友人と過ごす時間をもっと作りたい。
旅行もお好きなので、まだ行ったことのない場所にも出かけてみたいと。

私のカルテはいつでも新しい歯科医師に提出できるようになっているし、知り合いの歯医者を3人紹介するから、誰か気にいる人がいるか試してみてね、と仰いました。
ここまで話していて、自分でも気が付かなかったのですが涙がボロボロと溢れていました。

先生も、もらい泣きしていましたが、”Hey, we’re neighbors, so I’ll see you around!” と、にっこりされました。

ああ、こんなに素晴らしい先生に診ていただけなくなるのは本当に惜しい!
でも、先生のこれからを考えれば喜ぶべきことだ!と自分に言い聞かせました。
先生、素敵なご縁をありがとう!

 

感動の別れの挨拶後、デンタルフロスのチェック

健診では問題はなかったのですが、
”I know you like brushing your teeth, but you do like flossing as well, don’t you?”

「え、そうですが…」と戸惑う私に、

“How do you do it?” とデンタルフロスを持ち出してきました。先生のお手本を見せられて分かったこと……. 歯磨きだけでなく、フロスも私はやり過ぎの傾向にあり。

ぎゃ〜!

健診の後、”Don’t brush AND floss your teeth too much!” と先生がウィンクしながら見送ってくれました。

 

 


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ABOUTこの記事をかいた人

日本の大学で英語、ロシア語、ラテン語を学びながらフラワーデザイン学校に通いフラワーデザインを習得。翻訳も通信で勉強するがもの足りずニューヨーク・シティに移住。市内の大学で英語を学び直し、フラワーデザイナーとなる。同時に、翻訳や通訳に従事し、日本語や英語の家庭教師を務める。 翻訳実績:主に音楽関係の記事やCDのライナーノート、ブログ記事、履歴書のプロフィール、ビジネスレターなど通訳実績:取材、現地学校における諸行事、プライベートレッスンの場など 息抜きには土いじり、ルービックキューブ、星や月を眺めながらの一杯。クラシックバレエ用ストレッチとヨガを自己流でアレンジした整体をしたり、一指禅、日記を書くことが日課。好きなスポーツはサッカー、バスケットボール、水泳。ジャンルを問わず日々の生活に音楽は欠かせない。