【翻訳家の暮らし】真昼の逮捕劇に遭遇!

写真はイメージです

こんにちは!
ニューヨークシティよりMihokoがお届けします。

You’re under arrest.”

クライム物でなくても、映画やドラマでよく聞くこのセリフ。
何を隠そう、私はこんなシーンを体験したことがあります….
※写真はイメージです。

 

猛スピードの車を追ってパトカー6台!!

子供を習い事へ送り届けた帰り道。つい遠回りして散歩したくなるような爽やかな初夏の午後でした。

静かな住宅地で、一方通行の道を逆走する乗用車が、突然前からやって来ました。
あまりの猛スピードに仰天していると、その後ろからパトカーが2台。

えっ?!カーチェイス?と思いきや、その3台が私めがけて突進してきて真横に止まります。

あわわ!!!と慌てていると、後ろからも2台、横の路地からも1台、パトカーが!
あっという間に6台の車に囲まれ、警官がぞろぞろ降りてきました。
遅れてさらにもう一台、前からパトカーがやってきて、そこからは、まだ完全に停車する前の車から制服姿が一人飛び降りてきます。

な、な、なにこれ〜!ど、どうなってんの?!
私、逮捕されちゃうの?!

 

パトカーが追いかけていたのは!

訳がわからないまま呆然とする私に向かって走り寄る警官たち…

“Are you XXX XXXX(名前)?”

そう尋ねられたのは、私ではなく、前からこちらへ向かって歩いて来ていた子連れの若いカップルでした!

ああ、びっくりした!私が何かの犯人と間違われてるのかと思っちゃった!と、安堵します。

You are under arrest for …..”
警官が言い終わらないうちに、カップルの女性が喚き出し大暴れ!

ストローラー(=ベビーカー)に乗った1歳半くらいの女の子もぎゃーぎゃー泣き出しました。
女性は放送禁止用語を連発しながら逆上しています。
男性の方は観念したのか大人しく手錠をかけられて、”Babe, it’s gonna be okay.”と女性をなだめています。

いや〜、全然大丈夫じゃないでしょう!
私はそう思いながら、まるで映画の一場面を鑑賞する観客気分で通り過ぎたのですが、この私の行動は、実はとってもダメダメなんです!

何がいけなかったか分かりますか?

 

What if the woman tries to do something and…

うわぁ〜、すんごいの見ちゃったな!と、まだドキドキしている私に、騒ぎを聞きつけて出てきた近所の人が、”What’s happened?”
見たばかりの生々し〜い経緯を、まるで映画のエキストラとして体験したかのような興奮状態で語りました。

そしたら、こう諭されたんです。

”Oh, you’ll need to be more careful next time, Mihoko!
What if the woman tries to do something and you get caught up in the mess? It could be dangerous!”

“……….!”

そこでやっと冷静になり、客観的に自分の行動を振り返ると、犯人逮捕!という修羅場の『ど真ん中』を、まるで自分は存在していないかのように平気で通り抜けてきたんです…。

ひゃ〜!そうですよね、そうだわ!
「この行きずりの歩行者を人質にとってやる!」とかってナイフ突きつけられて、それか警官が発砲して流れ弾が…..など、恐ろしい想像が頭を次々と巡ります。

ああ、次は気をつけよう。っていうか、次がないことを願うけど!

 

主語が「逮捕する人」でないのはなぜ?

その晩、家族にも次は注意するようにし〜っかり釘を刺されるのですが、そこで言語的好奇心が。

なんで You’re under arrest.って表現するんでしょう?

英語ってアクション表現が好きだから、「逮捕する人」が主語で、「逮捕する」という動詞を使った表現の方が英語っぽいってことにならないの?

これは家族を含め友人などネイティブに聞いてみました。

いろいろ意見がありましたが、まず「逮捕する」のは「個人」ではなく、「法」であったり「法のもとに権限を施行する組織や機関」だからではないか?

そして、法律から見た感覚で「その人が逮捕という状況にある」というふうに表現するのでは?という意見が。
なるほど、「私という個人があなたを逮捕する」ではないということですね。

納得です。

 

 


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翻訳家のたまご

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ABOUTこの記事をかいた人

日本の大学で英語、ロシア語、ラテン語を学びながらフラワーデザイン学校に通いフラワーデザインを習得。翻訳も通信で勉強するがもの足りずニューヨーク・シティに移住。市内の大学で英語を学び直し、フラワーデザイナーとなる。同時に、翻訳や通訳に従事し、日本語や英語の家庭教師を務める。 翻訳実績:主に音楽関係の記事やCDのライナーノート、ブログ記事、履歴書のプロフィール、ビジネスレターなど通訳実績:取材、現地学校における諸行事、プライベートレッスンの場など 息抜きには土いじり、ルービックキューブ、星や月を眺めながらの一杯。クラシックバレエ用ストレッチとヨガを自己流でアレンジした整体をしたり、一指禅、日記を書くことが日課。好きなスポーツはサッカー、バスケットボール、水泳。ジャンルを問わず日々の生活に音楽は欠かせない。