“brother”を漢字にしてほしいと言われて
こんにちは!ニューヨークシティよりMihokoがお届けです。
ある夜、帰宅するなり夫が、スーパーのレジで一緒になった人に漢字を教えてあげたと自慢げに言いました。
こうだよね?と紙に書いた字を見て、「惜しい!」と褒めました。
『兄第』
確かに「第」は「ダイ」って読むけど、正しくは『弟』だと教えると、夫の顔色がサッと変わる…
その人、腕に “brother”とtattooを入れたいってことだったらしいんです!
よりにもよって tattoとは!
しかも、『弟』 という易しい(画数の少ない)漢字を 『第』 という難しい漢字に間違うなんて〜!
『第』 であるべきところを 『弟』 と間違ったなら、あとから付け足しの修正ができそうだけど…
見ず知らずの人だし、間違いを正すにもすべがないとのこと… ひゃぁ〜!
アメリカで見た、面白漢字のtatoo
まぁ、でも、彫り師は『兄弟』なんて何度も彫ってるだろうし、間違いにも気付くんじゃないの?と慰める一方で、そういえば、アメリカ人が体に入れている tattoo、これまでに面白い漢字を見てきてるよなぁ〜と、ひとり思い返していました。
『家』 『犬』 『折』 『力女』 『馬力』 などなど。
『犬』…戌年の人?それとも、愛犬が亡くなっちゃったとか??
『折』なんて、どんな英単語から思いついた漢字だろう???と思わず考えてしまう。
つい動詞の『折る』を思い浮かべるけど、実はそうではなくて、名詞のほうなのかなぁ?
だとしたら、「機会」 とか 「季節、時節」 なんて意味があるから、そういうメッセージをtattooにしたかったのか…?
中国語の『折』にはもっと違う意味があるのかなぁ??
そんなふうに物思いにふけっていると、そもそもみんながtattooに入れたがる brotherは意味としてはbrotherhood(兄弟分、兄弟の縁や愛情)のニュアンスがあって、日本語の『兄弟』とはちょっと違うよなぁ〜と、夫がボソリ。
確かに。
じゃあ、『兄弟』じゃなくて何?というと難しい〜。
あっ!そういえば、『兄弟愛』って tattooに入れてる人、見たことあるよ!と盛り上がりました。(苦笑)
単語単位で辞書引き、出てきた言葉が伝えたいメッセージとして正解か?というと決してそうじゃない。
これは翻訳をしていると常に経験することでもあって、言葉の奥深さを改めて実感です。
その外国語特有の発音やスペルに魅かれます
またおもしろいことに、外国語に感じる魅力というのも世界共通なのかもしれません。
日本人がアルファベットで書かれた外国語に、アメリカ人は漢字に惹かれるのは、よくわからないからこそ、なんだか不思議で素敵と感じるからなのでしょうかね。
よくわからないところに惹かれるといえば、私は、believe, pieceに対して receive, perceiveと、”c”の後には”-ei”とスペリングが違ったり(「イー」という音のスペリングの”ie”と“ei”)、take, nineという発音に対してlive, haveというイレギュラーな読み方(-eの前にアクセントがある母音の読みは長い音で、”エイ“や”アイ“になるのに、そうでないもの)などに、妙〜に惹かれます。
あ、あと、フランス語に多いと思うんですが、silent lettersというのも変に好きです。
heightの”gh”とか、thumbの”b”とか。(変なの〜!ですけど。笑)
さてさて…
もしもこの先、腕に 『兄第』 とtattooが入っている人を見かけたら、それはうちの夫のせいかも知れません…(ごめんなさい…!汗)
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日本の大学で英語、ロシア語、ラテン語を学びながらフラワーデザイン学校に通いフラワーデザインを習得。翻訳も通信で勉強するがもの足りずニューヨーク・シティに移住。市内の大学で英語を学び直し、フラワーデザイナーとなる。同時に、翻訳や通訳に従事し、日本語や英語の家庭教師を務める。
翻訳実績:主に音楽関係の記事やCDのライナーノート、ブログ記事、履歴書のプロフィール、ビジネスレターなど通訳実績:取材、現地学校における諸行事、プライベートレッスンの場など
息抜きには土いじり、ルービックキューブ、星や月を眺めながらの一杯。クラシックバレエ用ストレッチとヨガを自己流でアレンジした整体をしたり、一指禅、日記を書くことが日課。好きなスポーツはサッカー、バスケットボール、水泳。ジャンルを問わず日々の生活に音楽は欠かせない。
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