こんにちは!講師のミーガンです。
今日は、日本語と英語の表現のミスマッチについて話したいと思います。
文章を日本語から英語に訳すときに、1つ苦労することは、曖昧な表現を訳すことです。
言語によって、1つの文に必要とされている情報の量は大分変りますね。
例えば日本語の場合ですが、全体的に考えるととても曖昧な言語ですね。
英語みたいに冠詞がなくて、単数・複数はあまり明確にしない、そして時制も非常にシンプルですね。
ただし、日本の文化における重要な情報を表すために、
上下関係などを表す表現は英語と比べて圧倒的に多いです。
その一方で、きっちりと細部まで伝える英語だと、上下関係的な表現をあまり使いません。
性別が分かりづらい名前の日本語表現
性別も明確にされていないことが多いのは悩むことの1つです。
「鈴木氏・鈴木さん・鈴木様」
だけがあるときに、Mr. SuzukiなのかMrs. Suzukiなのかが全く分からないので、クライエントに性別を聞くことがたまにあります。
もちろん、名前だけではなく代名詞を入れるのも大変ですね。Heなのかsheなのか!?
また、「人」の話は1人なのか、複数なのか、文脈が分からないと大変ですね。
英訳できますか?「後輩・先輩」
それでは、問題です!「後輩・先輩」と「弟」は訳せますか?
訳してみてください!
まずは「後輩・先輩」を見ましょう。
辞書を引くと、「後輩」は、juniorという単語が出てくると思いますが、
これだけだと伝えたいニュアンスが全く伝わりません。
juniorは、一般的にjunior high school(中学校)やjunior tennis/baseball/swimming(子供のスポーツチーム)などで、子供を指すケースが多いです。
そのため、職場の後輩をjuniorというと、子供の話だと誤解する人は少なくないと思います。
同じように、先輩だとseniorになると思いますが、
seniorは色々な意味があるのであまり伝わらないと思います。
Senior coworkerだと、丁寧に「かなり年を取っている同僚」という意味で受け取ってしまうと思います。なぜなら、Senior citizensは「お年寄り」という意味を持っているので、こちらを想像してしまうからだと思います。
文化の違いから生まれる表現の違い
実は、こういった表現に自然な訳がない理由は、英語圏と日本の文化の違いという点にあります。
英語圏は平等さを大切にするので、職場でもあまり上下関係を意識しません。そのため、「後輩」や「先輩」という言い方があまりないのです。
同じ職場で働いている人ならcoworker/colleagueがありますが、会話だと、someone from work/the guys from work/people from workを使うことが多いです。
「弟」は、little brotherだけど、、、?
そして、家族のことを翻訳するのも大変です。
「弟」は確かにlittle brother / younger brotherになると思いますが、実は英語ではあまり年齢の情報を入れないのが一般的です。
特にlittleを入れると「小さい」という強調になり、5,6歳以下の小さい子や、すごく年の離れた弟のようなイメージでとらえらることが多いです。
その結果、brotherのほうが多く使われています。
このような表現を日本語から英語に訳すときは問題ないかもしれませんが、その逆は大変ですね!
例えば、I have a brother.
を日本語にするときに、弟なのか、兄なのかを決めないといけないですね。
でも、どれぐらい年上か年下という情報がないと正しく訳せないのです。
逆に、「私の後輩(会社の)には弟がいるんだ。」という日本語文、
My junior colleague has a little brother.
のような英文にすると、ネイティブには少し不自然に感じてしまうのです。
このように、日常的に使っている単語でも翻訳する際に困る表現が山ほどあります。
文化的の違いによって、どのような情報が相手にとって重要なのかが変わるのでこのような差が出てしまいます。
では、その翻訳の答えはどこにあるのでしょう?
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ではまた!
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