【翻訳家の暮らし】日本文のスタイルー縦書き・横書きの不思議

日本文のスタイルー縦書き・横書きの不思議

皆さん、こんにちは!
英日翻訳家デビュー講座を担当しております講師のMasakoです。

日本語って本当に不思議

日本語って本当に不思議です。

今更何を言っているのですか?と言われそうですが、考えてみてください。

もともと縦書きであった日本文ですが、現在では縦書きの文を読むことは稀になってしまいました。スマホやPCの画面に表示されるのは、横書きの文書ばかり。図書館や書店で手に取る文庫本や単行本は縦書きですが、図やイラストが多い図書は圧倒的に横書きになっています。

まるで千年前からそうであったかのように、横書きの文章が当たり前になっていますよね。広報誌やチラシの類も例外ではありません。

そう考えてくると、縦書きOK、横書きOKの日本文はなんと柔軟性が高いことかと思います。横書きにすれば、疑問符(?)や感嘆符(!)なども使えますし、アルファベットを挿入することも可能。

縦書き、横書き自由自在?

このように縦書き、横書きを当然のように享受している私たちですが、皆さんお気付きですか?

いざ縦書きの文書または縦書きを想定した文書を書こうとすると、ふと迷ってしまうことが多いことに…。

私自身も長年医薬分野の産業翻訳に携わってきて、和文、英文を問わず(英文は当然ですが)、すべて横書きで作業してきました。医薬に関する文書は、薬品の添付文書にしろ、臨床研究の報告書にしろ、ほぼ100%横書きでした。

ところが、文芸翻訳の分野で仕事をすることになって初めて、縦書き文書の表記に一定のルールがあることに遅まきながら気が付いたわけです。

ほんと遅いですよね⁉

ふだんあまりに当たり前になっていて、気が付かないことって山ほどある

近くに縦書きの本がある方は、ちょっと手に取ってみてください。

実際のところ、私も我が家で縦書きの本を探すのに結構苦労しました。手の届く範囲に積んである本たちのなんと8割、もしくはほぼ9割が横書きでした!

本ではありませんが、新聞は数少ない縦書きの生き残りですね。ところが、新聞紙面をざっと眺めてみると、縦書きがメインであるとはいえ、記事のタイトルのみ横書きになっていたり、ひとつの欄がすべて横書きであったりと様々です。新聞よ、おまえもか!!いまや縦書き文書は絶滅寸前でしょうか?

レイアウトでメリハリをつける目的があるのでしょうが、やはり縦書き・横書きが混在する日本文は不思議ですよね。

縦書きのルールって多い!?

縦書きの本や新聞を読んでみて、「え~~、そうだったんですね!」と改めて気が付くのは、

・段落のはじめは1マス(全角)あいている。
・会話文などカギ括弧ではじまる場合は、1マスあいていない。
・段落中の疑問符(?)、感嘆符(?)のあとは1マスあいている。
・ダッシュ(――)と三点リーダー(……)は、2マス使っている。
・本の題名、映画やテレビ番組のタイトルなどは『 』でくくってある。
・数字は原則として漢数字を使っている。
などなど、

そういえば、ダッシュや三点リーダー、縦書きだとやけに長いですよね。なにせ全角2マスですからね。

縦書き文書について訊いてみると

この絶滅寸前の縦書き文書について、ChatGPTに訊いてみたところ、こんな優等生的な答えが返ってきました。

縦書きには独特の美しさがあります。文字が縦に流れることで、視覚的に落ち着きが生まれ、文章のリズムや間が強調されます。特に詩や俳句などの文学作品では、縦書きが情緒を引き立てます。

ふう~~ん、なるほど、確かにジャンルにもよりますが、縦書きの紙の本は落ち着きますね。

同じ縦書きでもキンドルで読むとすぐに疲れて、目がチカチカしますが…。横書き・縦書きを問わず、私たちはスマホやPCの画面を見ることに幾分疲れてきたような気がします。これをscreen fatigueと呼ぶのだそうです。

たまにはリクライニングできる椅子に横になり、縦書きの紙の本を読むことにしましょう。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

商社勤務。英国へ語学留学しCambridge English Certificateを取得。帰国後外資系企業に勤務。その後結婚して夫の転勤先である米国カリフォルニア州、テキサス州、さらにアフリカのナミビアを転々とする。 それぞれの地域のカレッジにて英語、スペイン語、数学、歴史など一般教養を終了し、ナミビアでは、南アフリカ大学の通信教育にてPsychologyを専攻。 1998年に帰国し、2000年にフリーランス「医学翻訳家」として稼働開始。医学分野において創薬(製剤試験、動物試験)、治験関連文書、承認申請資料、照会事項、文献、製薬品質管理、副作用報告書等々、様々な文書の英日、日英翻訳を手掛けて今日に至る。 <趣味や日課> 昔から単純なパズルゲームが好きで、現在は3マッチパズルにはまってます。他には読書。Amazon Primeでドラマや映画を鑑賞(CMがなく、好きな時間に連続して見ることができるので、国内、海外、ジャンルを問わず興味がわいたものを観ますが、近ごろはやりの『進撃の巨人』や『鬼滅の刃』など常時アドレナリンだらだら系は苦手)、音楽鑑賞。 スポーツ観戦は、相撲に加え、テニスはウィンブルドンのみ、サッカーは四年に一度のワールドカップのみ観戦。フィギュアスケートも観ます。スポーツジムでエアロやヨガのレッスンを受け、マシンに乗ったりしていたのですが、どちらかというとその後の入浴が楽しみ。現在はウォーキングに切り替えています。料理は時短で済ませますが、どういうわけか編み物が好きです。