英語詩には馴染みのない単語が多いのはなぜ?
みなさんこんにちは! Masakoです。
英語の詩にはなぜあまり一般的でない単語が使われているのだろう?
こんな疑問を持ったことはありませんか?
英日翻訳家デビュー講座の “Alice’s Adventures in Wonderland” では、詩や会話の中に発音が同じでもスペルや意味がまったく異なる単語が多数出現します。
特に詩の中には、あまり一般的ではない単語がよくみられます。
子供から大人まで楽しめる童話といった体裁の作品ですので、一般的によく使われている単語を使うのが普通でしょう。それなのになぜ???
そうです、韻を踏むためのようです。
さらに、英文では同じ単語を繰り返し使うことを嫌います。
話し言葉はシンプルに開いた表現を好みますが、詩や文学では豊かな語彙を駆使して同じ単語を表現するのがよいとされています。
英語は「言語のルツボ」
英語はインド・ヨーロッパ語族に属する言語で、Wikipediaによると、
「インドからヨーロッパにかけた地域に由来する語族である。英語、スペイン語、ロシア語などヨーロッパに由来する多くの言語と、ペルシア語やヒンディー語などの西アジアから中央アジア、南アジアに由来する言語を含む」
と定義されています。
結局のところ、英語とはあらゆる言語をルーツとする「言語のルツボ」なんですね。
語源を辿ると、ラテン語由来の単語がもっとも多いようで、フランス語やスペイン語、イタリア語などロマンス諸語と共通する単語がよくみられます。
その一例としては、皆さんよくご存知、英語で動物 pig を食する場合はフランス語源の pork になる、cow を食用にするとこれも beefになることでしょう。
日本語では単に豚が豚肉になり、牛が牛肉になるだけなのにねぇ。
今はむかし、米国でコミュニティー・カレッジに通って英語の授業をとっていたころ、語根大好きな講師がいました。
この講師のお勧めは、巻末に “Appendix of Indo-European Roots” が掲載されている “The American Heritage Dictionary” でした。
その講師がインド・ヨーロッパ語族の説明をし終えて、「日本語は違うんだよね」と仲間外れをかばうかのように言ったのを憶えています。
ああなるほど、日本語は言語の海に浮かぶ絶海の孤島なんだ! と納得。
周囲では、スペインからやってきたマリアとメキシコ人のマリアが急に親しくなって同じスペイン語で話している、チリ出身の妻とメキシコ出身の夫が仲睦まじく当然のごとくスペイン語で語りあっている。
それにイタリア語の映画もなんとか理解できるようだ。
ああ、それなのに日本人の私は、お隣の中国や台湾から来た人とすら会話ができない、韓国人のクラスメート、パーキョンと話すのも英語。
こんな中で、私はまさに「不思議の国の日本人」でした。
DogはDogじゃいけないの?
さて、英語の詩のはなしに戻りましょう。
“Alice’s Adventures in Wonderland” でもAlice とMouseがCatとDogの話をしていたのに、Tail(シッポ)のようにうねうねと表示されたTale(お話し)に突然のごとくCurという単語が出現します。
今まで通りにDogじゃなんでいけないの?
Cur は「猛犬」とか「たちの悪い犬」という含みを持った単語で、この含みを一言で表したかったのでしょう。
そしてどうやら、続く文中のSirと韻を踏んでいるようなのですね。
それならばと、私なりになにか韻を踏んだシャレた日本文を考えてみたのですが、情けないことに私の頭から出てきたのは
「セブン・イレブン・いい気分!」とか
「インテル、入っている」など、コマーシャルばかり。
韻は近頃ではラップによくみられる手法で、日本語でもうまく韻を踏んだ歌詞もみられますよね。
それでも、リズムよく韻を踏むって難しい!!
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商社勤務。英国へ語学留学しCambridge English Certificateを取得。帰国後外資系企業に勤務。その後結婚して夫の転勤先である米国カリフォルニア州、テキサス州、さらにアフリカのナミビアを転々とする。
それぞれの地域のカレッジにて英語、スペイン語、数学、歴史など一般教養を終了し、ナミビアでは、南アフリカ大学の通信教育にてPsychologyを専攻。
1998年に帰国し、2000年にフリーランス「医学翻訳家」として稼働開始。医学分野において創薬(製剤試験、動物試験)、治験関連文書、承認申請資料、照会事項、文献、製薬品質管理、副作用報告書等々、様々な文書の英日、日英翻訳を手掛けて今日に至る。
<趣味や日課>
昔から単純なパズルゲームが好きで、現在は3マッチパズルにはまってます。他には読書。Amazon Primeでドラマや映画を鑑賞(CMがなく、好きな時間に連続して見ることができるので、国内、海外、ジャンルを問わず興味がわいたものを観ますが、近ごろはやりの『進撃の巨人』や『鬼滅の刃』など常時アドレナリンだらだら系は苦手)、音楽鑑賞。
スポーツ観戦は、相撲に加え、テニスはウィンブルドンのみ、サッカーは四年に一度のワールドカップのみ観戦。フィギュアスケートも観ます。スポーツジムでエアロやヨガのレッスンを受け、マシンに乗ったりしていたのですが、どちらかというとその後の入浴が楽しみ。現在はウォーキングに切り替えています。料理は時短で済ませますが、どういうわけか編み物が好きです。
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