【ドイツ留学体験記!】遠いドイツで隣国の食文化に触れた。

【ドイツ留学体験記!】遠いドイツで隣国の食文化に触れた。

みなさん、こんにちは。Kenです。

今月も食べ物のお話です。遠いドイツで日本のお隣の国の食文化に触れたのでした。

2003年〜2004年のことを思い出してかいているので、もしかしたら今は違うかもですが「当時はそうだった」とご理解くださると幸いです。

 

【「引き継ぐ借り主」を探す】

僕がドイツに住み始めて1軒目の住処はフライブルク市内の学校からもまあまあ遠い、近郊の村にありました。家賃は安く大家さんも親切だったのですが、なにせ街から離れていて駅からのバスの便数も少ない。

これではドイツ生活が楽しめない、ということで引っ越しを決意しました。

 

学生が住むような家の場合は特に、ドイツでは不動産屋を通して借りることはまれで、個人同士が契約書を交わします。そしてそのような契約によく盛り込まれているのが

「借り主が契約期間中に退去する場合は後を『引き継ぐ借り主(Nachmieter:ナッハミーター)』を探してくること」

というものでした。なかなか面白い仕組みなだなあと今でも思います(そしてNachmieterという単語が存在することにも驚きでした)。

 

今だったらネットで探すのでしょうが、当時はまだまだ紙文化。インターネットは存在していましたが、このような情報は地域のフリーペーパーのほうが豊富でした。

そこで僕は、Zypresse(ツュプレッセ)というフリーペーパーの「探してます」のコーナーに広告を出しました。

「日本からの語学学校生がNachmieterを探している。〇〇村。○○ユーロ/月。電話:XXX」のような感じだったと思います。

 

【韓国人に昼食をごちそうになる】

発行されてすぐに電話が数件かかってきました(メールじゃないというのも当時ならではですね)。最初の何件かは、場所を詳しく説明すると辞退されてしまいました(それほど遠い)。

そして、やってと見つかったのが韓国からの語学学校生でした。彼は僕とは異なる語学学校に通っていましたが、「東アジア」からの「語学学校生」ということで彼の方でも僕に対して親近感を持ってもらえたよう。

何度か連絡をやり取りし、実際にウチを見に来てもらう前にひとまずフライブルク市内で学校帰りに会ってみましょう、ということになりました。僕も大家さんに紹介するには変な人は紹介できないので慎重になっていました。

 

実際に会ってみた彼は信頼できそうな人で、僕も安心できました。

ちょうどお昼時だったので「じゃあウチに来てラーメン食べていく?ちょうど韓国の実家から食料品が送られてきたところなんだ」と昼飯に誘われました。

僕としてはものすごく久しぶりにアジアのちゃんとしたラーメンが食べられる!と喜んでごちそうになることになりました。

 

ところで、彼の現在のお家は街の中心部にありました。

それにも関わらず、引っ越したがっている理由は、現在の物件が「地下階」にあったからでした。「地下階」といってもまるまる全部が地下にあるのではなく、部屋の中に立つと自分の胸くらいの高さが地面の高さ、というくらいでしょうか。真っ暗ではないのですが、やはりちょっと窮屈に感じていたようです。

 

【隣国のラーメン】

彼のお家に上がらせてもらうと彼は早速料理をはじめました。

韓国から送られてきたダンボール箱から取り出したのは「辛ラーメン」(当時からあった)!!ドイツにいると日本のものでなくても東アジアの食べ物というだけで懐かしい感じがしました。

そして僕は驚きます。「おまちどうさま!」と彼が持ってきてくれたのは、丼に白ごはんを入れ、その上にラーメンをかけたものでした!

「えー、それは別々にしたいなあ」とは思ったものの、僕は言い出せず、ありがたくいただきました。

まあお腹の中に入ってしまえば一緒ですよね。でもあまりに僕も嘘もつけず、「この食べ方は日本ではしない。これは韓国では普通の食べ方なの?」と尋ねたところ、ラーメンといえば「ご飯がけ」が普通とのこと。彼は美味しそうに、懐かしそうに食べます。

僕は遠いドイツで韓国の食文化にふれることになったのでした・・・

 

このあと彼にもウチを見てもらい、無事に僕のNachmieterになってもらえたのでした。今ではもう連絡を取ることはないのですが、元気かなー、ちゃんと大学に入れたかなーと時々思い出します。

 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

国際協力団体、翻訳・通訳会社での勤務を経て、現在はフリーランスで英語講師、翻訳、通訳に従事。予備校での講師経験や、大学や企業でのTOEIC講師担当経験も持つ。またドイツでの留学経験も活かし、ドイツ語も仕事にしています。