みなさんこんにちは!
英日翻訳家養成コース担当インストラクターのK. Yukaです。
さて、今回は、文芸翻訳で欠かせないポイントである「登場人物のキャラの扱い方」についてお話しさせていただきます。
登場人物のキャラを意識
文芸翻訳、特に小説翻訳の最大の特徴は、文中に会話文が存在することです。登場人物らしさあふれる会話文は、小説の醍醐味のひとつですよね。
しかし、翻訳時に人物の性格に合った訳し方ができていないと、翻訳小説の魅力が半減するばかりか、リアリティが失われてしまいます。
登場人物の成り立ちを把握
小説に出てくる登場人物には、その人ならではの話し方が必ずあります。そして登場人物ならではの口調には、いろいろな要素が複雑に影響しています。
まずは、性別。性別による話し方の差は英語にもあるとされていますが、日本語だとさらに如実に現れます。
例えば、女性だと一部のケースを除いて「俺、僕」という一人称を使えません。また、男性でも「僕、私、俺」がケースバイケースで変わってきます。
次に、年齢があります。その人が子供なのか大人なのかにより、
その話しぶりは大きく変化します。また、「大人」にも様々な年齢層があるので杓子定規な訳し方はできないものです。
年齢だけでなく、シチュエーションや対話する相手との間柄によっても口調に変化が生まれることがあります。どんな状況で誰と話しているのか、付近の文脈から判断しなくてはなりません。
最後に、その人の職業、さらに性格なども、その人の口調や話しぶりに影響を与えます。さらにそのときに心情や感情からの影響を受けることもあるでしょう。
会話文をうまく訳すには
文芸翻訳で会話文を上手に訳すには、人物のさまざまな属性を適切にとらえ、そのうえでの口調を判断する必要があります。
このときに大いに参考になるのが、小説やドラマ、映画、演劇など、会話文を含む作品です。特定の状況で特定の属性を持つ人物がどんな口調で会話しているのか、そのヒントをつかむうえで役立ちます。
このとき気を付けたいのは、自分の主観だけで訳そうとしないことです。発想が豊かなのは素敵なことですが、物語の流れからずれてしまっては忠実・良質な翻訳とは言えないからです。オリジナリティや想像力をふくらませるのではなく、あくまで常識にのっとった見方から、登場人物の口調を練っていきましょう。
おすすめの翻訳トレーニングは?
映画や小説などといった作品のほか、普段から周りの話しぶりを注意して聞き、どんな特徴があるのか探っていくのもおすすめの翻訳トレーニングの一つです。
このように登場人物のキャラを重視することで、オリジナルに忠実で良い翻訳に近付くことができます。原文のテイストも含めてしっかりくみ取り、原著の魅力を最大限に引き出しましょう!
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学習塾の英語指導や教材作成の経験を持つ講師。現在では英日翻訳も手掛け、日々「ネイティブらしい表現」を目にしています。その経験を生かし、文法面を細かく指導してくれるだけでなくだけでなく、どうしたらネイティブから見ても自然な表現になるのかを丁寧に解説をしてくれます。
座右の銘は「Push myself ever onwards to try new things, and to not be afraid to step outside my comfort zone.」
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