【翻訳家の暮らし】これ何?

翻訳者になりたい方のための翻訳講座の講師Erika先生の記事

みなさん、いかがお過ごしでしょうか。
最近漢字の勉強にハマっているフィンランド出身の講師エリカがお届けします。

“赤いやつ”

最近、漢字の手書が出来なくなったことに気づいてしまい
焦って検定用の問題集を買い込んだのですが、
勉強していると、ふと、あることに気づきました。

このタイプの問題集や単語集の間にはよく、
透明の赤いプラスチックでできたシートみたいなもの
挟まっていますよね。

そうです、あの赤いやつ。
しかし、あの「赤いやつ」の正式名称って何なのでしょうか?

自分ではどうしても思いつかないので
検索してみるとどうやら「赤シート」、「チェックシート」など様々な名前があるそうです。
皆さんはご存じでしたか?
私はなんとなく「赤いやつ」と呼んでいました。

でもはっきり言って、
文脈さえはっきりしていれば「赤いやつ」だけで通じますよね。

「みんなが知っているけど、名前が分からない物」の存在は
よく考えれば興味深いですね。
私たちの日常生活の中には、他にも名前がわからないものが潜んでいるかもしれません。

 

当たり前の物とは?

実はこの「赤シート」なるものは日本でしか見たことがないのです。
おそらく日本発祥のものだと思われるのですが、
初めて赤シートを見たときは「なるほど~」と思い
そのまま日常生活の一部として受け入れました。

しかしもっと受け入れ難いのは、
「当たり前だと思っていた物が実は当たり前じゃなかった」というケースです。

例えば、皆さんご存じ、どの家庭にも必ずあるチーズスライサー。
……と、当たり前のように思っていたのですが、違った。
「チーズスライサー」とは、名前の通りチーズをスライスするための道具なのですが、
チーズスライサーが使われている国って世界的に見ても稀なんですね。
このことを知ったときはかなりショックを受けました。

乳製品大好きなフィンランドではチーズは塊として売っているので
スライスする道具がないとかなり不便ですが、
日本のチーズは予めスライスされているので専用の道具が必要ないのですね。

当たり前だと思っていた物は他にもたくさんあります。

  • 食器洗い用のブラシ(日本ではスポンジが一般的ですよね)。
  • デザートを作るときに使うバニラ味のシュガー。
  • ネバネバ伸びるヨーグルト。
  • コンベヤ式のレジ。
  • 衣服につけるリフレクター(暗い夜道で車にはねられないよう)。
  • 家の中で靴を脱ぐこと(脱がない国も多いですよね)。

全部日常生活の一部だったので、実際に違う国で生活するまでは
なんとなく世界共通のものだと思っていました。
というより、意識したことすらなかったのです。

逆に初めて見て驚いたものは、例の赤シート、ガスコンロ、網戸、鉄板、スリッパ。
「網戸を見て驚くこっとってある?」と思われるかもしれませんが、
回転寿司やお寺、畳や障子などと違って
網戸は予備知識がなく覚悟ができていなかったので
かえって印象が強かったのです(笑)

過去にこういう経験があったので、
異文化で最も興味があるのは芸術でも観光地でもなく
「日常生活」なのです。

 

 


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ABOUTこの記事をかいた人

フィンランド出身。日本語能力試験最難関のN1取得。IELTSアカデミックスコア8.5(8はExpert User、9はNative User)。日本語も日本人と見分けがつかないほど流ちょうに使いこなせるN1講師。フィンランドでは小学生のころから英語を学び始め、海外のテレビや映画は吹き替えではなく字幕が使われており、若い世代は英語が話せない人はほとんどいないと言っても過言ではない状態にあります。Erika先生も幼稚園から英語を使って育っており、英語力についても当社英語圏ネイティブ講師がまったくネイティブとそん色ないレベルと評価しています。座右の銘は「Challenge yourself!」