元海外添乗員兼英語の通訳ガイドの私が、英語の便利表現や学習方法などの情報を発信しています。
今回はガイドの仕事中のあるあるについてです。
英語で説明をしている時、「あれ?これって英語で何だっけ?」と説明ができず一瞬フリーズしてしまう場面があります。
少し頭を巡らせ単語や表現が出てこなければ、諦めて表現をかけて説明しますが頻発させるとプロとして恥ずかしく反省する時もあります。
先日世界遺産知床国立公園のガイドをしていたとき、目の前に現れた「なめくじ(slug)」が英語ですぐに出てこず、「snail without shell」と説明しました。
プロとしてslugくらいはすぐに出てきてほしいものです。
今回は北海道・知床の自然や動物をモデルに、英語学習者のあなたが、「あれ?これは英語で何だっけ?」と考えるであろうものを例文をつくりリストアップしてみました。
草木や植生について
まずは草木や植生の例文です。
桜は沖縄で1月に開花し、その後桜前線は北上し4月下旬から5月上旬に北海道に到達します。エゾ山桜は5月半ばに知床で開花します。知床は日本で最後に桜の花が見られる場所となります。
Cherry blossoms start blooming in Okinawa in January. Then, cherry blossom front line goes up to north and comes to Hokkaido in late April to the beginning of May. Ezo Yamazakura blooms in mid-May in Shiretoko, which is the last place to see cherry blossoms in Japan.
桜前線という単語そのものが日本独特のものなので、私の経験上、桜前線の日本語訳で定番の「cherry blossom front」と言っても伝わらないことが多いです。
私はfront lineとジェスチャーも加えて話すことでお客様に理解してもらっています。
知床の紅葉は10月中旬から下旬にかけてピークを迎えます。楓や銀杏などの広葉樹は赤、オレンジ、黄色に色づき、エゾマツやトドマツなどの針葉樹は緑色を留め、色のコントラストがとても美しいです。
The peak season for viewing autumn foliage at Shiretoko is from mid-Oct. to late-Oct. Broadleaf trees such as maple and ginkgo change the colors of their leaves to red, orange and yellow and conifers such as spruce and saghalien fir keep the green color. The contrast of colors is so beautiful.
あれ?紅葉って英語で何というのだろう?と思ったことがある人はいるかもしれません。
解り易いのはautumn colorです。
ただ、autumn foliageを使う方が自然ガイドっぽくプロっぽいので私は好んで使っています。
またbroadleaf tree(広葉樹)とconifer(針葉樹)って意外に知られていないのではないでしょうか?
私はガイドになって自然の話をするようになり身に付きました。
動物について
次は動物についての例文です。
春になると動物たちは冬眠から目を覚まします。エゾヒグマのメスは子供と一緒に冬眠することで知られています。
Animals finish hibernation and wake up when spring comes. Female Ezo Higuma brown bear is known for it hibernates with its cub.
Hibernationという単語は意外と知らないと思われます。
もちろんsleepでも伝わるのですが、少し幼い英語に聞こえます。
英語学習者のあなたはhibernate(冬眠する)を是非使いましょう!
尚、英語の表現では動物の子供の呼び方も動物の種類などによって変化します。
Babyと言えば一言で済みますが、これも英語学習をせっかくするのであればそれぞれ憶えてしまいましょう!
以下、例を挙げておきます。
- cub = クマ、ライオン、キツネなど肉食哺乳類の子供
(※エゾヒグマ雑食ですがcubでOK) - chick = ひな鳥
- juvenile = 幼鳥
- puppy = 子犬
- kitty = 子猫
エゾヒグマは5月~7月にかけて繁殖時期となり行動が活発になります。
そのため、知床五湖の地上遊歩道をこの時期に歩くには、レンジャーに同行してもらう必要があります。遊歩道では、木の皮に擦った傷が見られますが、これは縄張りづくりのためクマがつくったもので、
クマは木に背中をこすり付けるのです。熊に出会ってしまった場合は、決して叫ばずクマに背を向け走って逃げてはいけません。
クマは、あなたが走ると追いかけてきます。また叫ぶとクマを刺激してしまうこともあります
遊歩道を歩く際は、食べ物を持ち込まず動物に餌をやることも厳禁です。The Ezo Higuma brown bear becomes active from May to July because of the breeding season. So you
have to walk the Shiretoko 5 lakes nature trail with rangers in this season.You can see scratches on tree trunks, which are scratches made by bears to make their territory. Bears
scratch their back on trees.If you encounter bears you should not scream or turn around and run. Bears chase you if you run and also if you scream it may provoke them.
You cannot bring any food and drinks while walking trails and also cannot feed animals.
私は恥ずかしながら、breed(繁殖)とbark(木の皮)をガイドになるまで知りませんでした。
Provoke(刺激する)もなかなか出てこない部類の単語ではないでしょうか?
餌をやるは「give 〇〇 food」でももちろん良いですが、feedを使う方が、大人が英語を話しているように聞こえます。
2月、丹頂鶴のオスは交尾のため雪原で翼を広げてジャンプしたり、ダンスしたり鳴いたりとメスの興味を引付けます。釧路湿原では越冬してきたオオハクチョウも見る事ができます。
Male Japanese Red-crested cranes open their wings, jump, dance and sing to attract females for mating in snow-covered fields. You can also spot Whooper swans wintering on Kushiro marshland.
交尾はmating、越冬するはwinterを動詞として使えるのですね!
身近なものが英語で話せない 一度振り返ってみましょう!
今回、知床の自然をテーマに意外に出てこない英語表現を紹介させていただきました。
自然関連の用語かつ、普段の生活でも出てくる可能性があるものに焦点を当てていますが、一度あなたの周りの事象について振り返ってみて下さい。
意外に英語で出てこないというものがありますよ!
元海外旅行会社の営業マン&添乗員
その後、公立高校の英語教員に転職。英語教育経験を経て再び旅行業界にカムバックしました。現在は、北海道で英語ガイドを満喫中です。海外旅行や英語ガイディングで必要な英語フレーズや語法、単語、コミュニケーションについて中心に執筆しています。
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