みなさん、こんにちは。Kenです。
今月も2003-2004年の留学生活中のことを思い出してみます。もう20年近くも前のことなので、少しでも覚えているうちに記録しておこう、という気持ちで書いています。
どこにでもこういう小咄ってあるんだなあというのを思い出したので書いてみます。
【大家さんのおじさんから聞いたお話】
留学期間のおよそ前半はフライブルクに近い村に、後半はフライブルクからだと電車で40分のティティゼーという湖畔の村に住んでいました。
ティティゼーで住んでいたところは、ホリデーアパートメントで、1階に大家さん夫婦が住んでいたので、彼らとはなにかと言葉を交わすことが多かったです。
その大家さんの旦那さんから聞いた小咄。
【渓谷の鹿】
ティティゼーは846mの高原。フライブルクの標高は270mほどなのでティティゼーに向かう電車は570mほどを一気に登ることになります(標高差の大きい路線としても有名らしい)。
フライブルクのある平地を暫く走ると電車は急に険しい山に入っていきます。Höllental(ホレンタール=「地獄の谷」)という名前の渓谷をぐんぐん登ります。ちなみにこの渓谷のある山の麓のエリアはHimmelreich(ヒンメルライヒ「天国」)という名前。地獄のように険しい渓谷を抜けたあとではこの平地が「天国」に見える、とのことから名付けられたそうです。
その渓谷の途中、Hirschsprung(ヒアシュシュプルング「鹿の跳躍」)というエリアを通過します。険しい崖が美しいところなのですが、鹿がその渓谷を跳んで渡ったという伝説があるそうです。
その伝説にちなんで崖に実物大(と思われる)の鹿の像が立っているんです。フライブルクからティティゼーに向かうときは進行方向に向かって右側の高い位置に見えます。
【小咄】
さて、ここからが小咄なのですが、
「ホレンタールのヒアシュシュプルングのあの鹿は実は本物なんだよ。銅像なんかじゃないんだ。猟師に追われ、崖の突端に来てしまった鹿があの谷をジャンプして越えた、という伝説があるけど、あの電車から見える鹿は生きてるんだ。その証拠にフライブルクに行くときは左側に見える。だけど、どうだ、フライブルクかから帰ってくるときには右側にいるんだぞ。左から右に移動してるんだ。あの鹿は本当に谷をジャンプして渡るんだよ」
・・・というようなオチのお話なのでした。
そしてこの落語みたいな小咄にも「へー」と僕は関心したのですが、それよりも興味を持ったのは、このハナシをするときの大家さんのおじさん(推定当時60才)。
これでもか、ってくらいに大げさん話して自分でも笑うんですよ。
笑いのセンスがやはり違うのかなとも思いつつ、おじさんがこういうのが好きってのは日本もドイツも同じだな、ちょっと納得した気分になったのでした。
国際協力団体、翻訳・通訳会社での勤務を経て、現在はフリーランスで英語講師、翻訳、通訳に従事。予備校での講師経験や、大学や企業でのTOEIC講師担当経験も持つ。またドイツでの留学経験も活かし、ドイツ語も仕事にしています。
※このブログでは英語学習に役立つ情報アドバイスを提供していますが、本ブログで提供された情報及びアドバイスによって起きた問題に関しては一切、当方やライターに責任や義務は発生しません。
※ここでの情報や助言を参考に英文を書いたり下した判断は、すべて読者の責任において行ってください。ここに掲載されている記事内の主張等は、個人の見解であり当社の意見を代弁・代表するものではありません。
コメントする