Hello from Canada. Fruitful English講師のYukoです。
前回の ”【3分で英語学習!】どっちが正しいの?Me and John+述語?vs. I and John +述語?”
https://www.fruitfulenglish.com/blog/yuko_12
に引き続き、
「どちらが正しいの?」がテーマです。
今日ご紹介するのは、
ネイティブの間でも、
どちらが正解か、あるいはどちらも正解か、
意見が分かれる例です。
than us!?
今から20年ほど前、
イギリスのエリザベス女王が、
恒例のクリスマスメッセージで以下のようにおっしゃいました。
”The young can sometimes be wiser than us.”
「若者は、ときに我々より賢いことがある。」
イギリスでは、
「than us!?」
「エリザベス女王がなんと文法をお間違えになった!」
「クィーンズイングリッシュをお話しになるエリザベス女王が口語をお使いになるなんて!」
「正しくは “The young can sometimes wiser than we are.”であるべきだ!」
と、ちょっとした話題に話題になったそうです。
一方、このような指摘に対して、
「時代錯誤な指摘だ。」
「大げさな。」
「すでに wiser than usという言い方は一般化しており、間違いではない。」
という意見も出たそうです。
~ than me? ~ than I? どっちが正しいの?
than me, than I am, than I
than us, than we are, than we
結局、どれが正しいのでしょうか?
than=接続詞
than を接続詞と考えれば、続くのは主格であるべきなので、
He is bigger than I am.
They eat more than we do.
あるいは、
thanのあとに共通している述語を省略し、
He is bigger than I.
They eat more than we.
になります。
than=前置詞
ところが、thanを前置詞と考えれば、目的格が続くべきです。
つまり、
He is bigger than me.
They eat more than us.
となります。
どれもOK!
thanのあとは、
主格でも、主格+述語でも、目的格でも、
文法的にはどれもOKなんです。
ただし、
主格を使う
than I, than I am, than we, than we do は、
「格式高い」
「古風」
「イギリス風」
というイメージがあります。
一方、目的格を使う
than me, than us は、
「カジュアル」
「口語的」
「アメリカ風」
というイメージがあります。
両方を知っていると、
時と場合によって使い分ける、という
高度な技を披露しちゃったりできますね!
日本語でも
「ら抜き言葉は間違いだ」という意見も
「時代とともに言葉が変化するのは当たり前」という意見も
あります。
英語でも、同じような議論があるんですね。
カナダ政府や日本政府機関でも勤務経験があり、現在も日本で年に一度カナダ外交に関する講座を大学で担当しているというこれまでにない経歴を持つ講師。カジュアルからフォーマルな英語表現まで指導することができます。
※このブログでは英語学習に役立つ情報アドバイスを提供していますが、本ブログで提供された情報及びアドバイスによって起きた問題に関しては一切、当方やライターに責任や義務は発生しません。
※ここでの情報や助言を参考に英文を書いたり下した判断は、すべて読者の責任において行ってください。ここに掲載されている記事内の主張等は、個人の見解であり当社の意見を代弁・代表するものではありません。
コメントする