みなさん、こんにちは。
今回は、時・条件を表す副詞節のお話をします。
まず、「節」とは何でしょう?なかなかスムーズに答えにくいものですが、イメージとしては「意味のかたまり」で大丈夫です。概ね、「節」は、主語述語がはっきりしていることが多いです。
そうすると、「時・条件を表す副詞節」とは、ある時点、ある条件における状況を表現している内容になります。この条件や時を表すとき、未来の内容であっても「現在形」を使う約束があります。学生時代にこの内容を習得した学習者も多いと思いますが、「なぜか」その理由をきちんと言えますか?
以下が時・条件を表す副詞節を使った英文です。確かに未来のことを話していますが、現在形ですね。今回は時・条件を表す副詞節と名詞節との違いや、副詞節に現在形を使用する理由などを説明します。
If it is fine tomorrow, we will go to the zoo.
(明日天気がよければ、私たちは動物園に行きます。)⇒明日のことだが、現在形
The birds will fly south, when winter comes.
(冬が来ると、その鳥は南へ飛んでいくだろう。)⇒これから冬がやってくる話だが、現在形
時・条件を表す副詞節と名詞節の違い
時・条件を表す節には名詞節と副詞節があります。まずは違いをみてみましょう。
【名詞節】 Tell me when she will come back.
(彼女がいつ戻るかということをおしえてください。)⇒when節がO(目的語)の役割
【副詞節】 Tell me when she comes back.
(彼女が)戻ってきたら、教えてください。)⇒when節が「彼女が戻ってきた」という決まった状況になったらという先の話
【副詞節】 Sachi won’t go out if it snows tomorrow.
(サチは明日雪が降ったら外出しないだろう。)
【名詞節】 I don’t know if my mom will go shopping tomorrow.
(私は母が明日買い物に行くかどうかということを知らない。)
違いと見分け方をまとめると以下のようになります。
【名詞節】…節の部分が、S(主語)、O(目的語)、C(補語)のいずれかになる。
【副詞節】…節の部分がS(主語)、O(目的語)、C(補語)の要素に含まれない。
区別はその節部分を取り除いて文を読むと、意味が通じないものは、【名詞節】、通じるものは【副詞節】だということです。また、名詞節の節部分は「~ということ」というように訳せます。
時・条件を表す副詞節と名詞節の接続詞
時・条件を表す副詞節と名詞節では、同じ接続詞でも、訳し方が異なります。例えば、whenです。副詞節では「~するとき」と状況を制限するのに対し、名詞節では「いつ~するか」という疑問刺としての使い方になります。
【副詞節】if(もし~なら)、when(~するとき)、before、after、by the time SV(SがVするまでに)、as soon as、unless、in case
【名詞節】if(~かどうか)、when(いつ~するか)、
さらに、【名詞節】の見分け方のコツは「~かということ」というように、名詞のように扱えることです。
時・条件を表す副詞節は現在形になる理由
If it is fine tomorrow, we will go to the zoo.
(明日天気がよければ、私たちは動物園に行きます。)⇒明日のことだが、現在形
whenやifなどの接続詞を用いて、「時」や「条件」を表す副詞節の場合、それに続く節の内容は「実際に起こりうること」としてとらえられます。未来形では不十分なため、現在形をとるのです。
上の英文で、「明日天気がよいこと」は成り立つ内容としてみなされています。また、節を受けた主節にも注目です。助動詞 「will」 は未来形としてのイがメージされやすいですが、実際は「強い意志」が込められています。本来、「will」=意志〈名詞〉という意味をもつことからも、理解できるでしょう。
We will go to the zoo.
(私たちは動物園に行きます)
強い意志で決めている内容(動物園に行くこと)に対応する、起こりうること(明日天気が良いこと)としてみなされている内容のセットです。ということで現在形をとるのです。
時・条件を表す副詞節が過去形になる場合
過去のある一点から見た未来の状況を表す場合、時・条件を表す副詞節は過去形になります。
He decided to wait at the airport until his wife came.
(彼は妻が来るまで、空港で待つことに決めた。)
いかがでしたか?
私は「時・条件を表す副詞節は現在形を使う」と、受験英語で学習したまま、ただ暗記していました。ですが、暗記から一歩踏み込んで理解を深めて納得できると、知識の幅も広がり、応用につなげられます。
英語の疑問をひとつひとつ解決して表現の幅を広げましょう。
予備校や学習塾で、幼児から社会人まで幅広く英語を指導し、20年以上。
特に、「英語を苦手」とする人への学習に対する向き合い方や、
考え方のアドバイスで「英語の面白さ」を理解してもらえることが何よりも嬉しいです。
英語習得は単なる暗記ではなく、ネイティブの子供が英語を身に付けるように
「イメージ」から理解するメリットや、単語の深い意味など
英語についてお話していきたいと思います。
※このブログでは英語学習に役立つ情報アドバイスを提供していますが、本ブログで提供された情報及びアドバイスによって起きた問題に関しては一切、当方やライターに責任や義務は発生しません。
※ここでの情報や助言を参考に英文を書いたり下した判断は、すべて読者の責任において行ってください。ここに掲載されている記事内の主張等は、個人の見解であり当社の意見を代弁・代表するものではありません。
コメントする