「look」と「see」
先日、下記のような英文を見つけました。違いをうまく説明できますか?
Look at those girls singing over there. Can you see them?
Is’t it amazing?
(向こうで歌っているあの少女たちを見て。見えるかい?すごいよね。)
「look」と「see」は日本語に直すと、どちらも「見る」として表現されてしまいます。ところが、この2つの単語は大きな違いがあります。まず、その違いをイメージからチェックしましょう。
はじめは「look」です。これはS[主語]の単なる動作です。「目を向ける」「視線を移す」動作のみです。そのあとに「at」(点をイメージする)の前置詞以下の修飾語で、「どこに目を向けたのか」をつなげます。
イメージを込めて正しく日本語にするならこんな感じになります。
Look at those girls singing over there.
(向こうで歌っているあの少女たちの方へ目を向けて視線を移して見て。)
なんとなくわかりましたか?
では「see」を見てみましょう。こちらは「look」とは全然違います。
S[主語]の動作ではなく、視界が対象物(O[目的語])へ及ぶ感じです。
対象物が、文中に早く登場しないことには、意味が伝わらないので、V[動詞]のすぐ後ろに置きます。
では、英文を見てみましょう。極端にわかりやすく訳すとこんな感じになります。
Can you see them?
(彼らが視界に入って見えたかい?)
自動詞と他動詞
「look」は主語の動作、「see」は視界が目的のものへ及ぶ、という違いです。
つまり、以下のように分類されます。
- look
→「目を向ける」=主語の動作
→S(概ね自分)の動作
→自動詞 - see
→「視界が目的語へ及ぶ」
→O(他のもの)
→他動詞
「自動詞」と「他動詞」はついては学校で学習しましたね。この覚え方でしょうか?
- 「自動詞」は目的語がつかない
- 「他動詞」は目的語がつく
目的語が付くかつかないかで覚えた人も多いかと思いますが、目的語を「~を」「~に」と訳すため、日本語の「助詞」で混乱しやすくなります。
いったん頭から助詞を忘れて、英語イメージに徹することがポイントです。
ちなみに、「watch」は「動くようなものを注視する」ため、他動詞となります。
Did you watch the final match last night?
(昨夜最終試合を見たのかい?)
「listen」と「hear」
以下の英文はどうでしょう?同じ「きく」ですが、違いますよ。
I listen to the radio every morning.
(私は毎朝、ラジオを聴きます)
I’ve heard so much about you.
(私はあなたのことはよくうかがっています。)
- listen
→「身を入れて聴く」=自動詞 - hear
→「聞こえてくる」=他動詞
わかってきましたね。
自動詞にも他動詞にもなる動詞
実は自動詞にも、他動詞にもなる単語が数多くあります。
She runs fast. 【run=自動詞】
(彼女は走るのが速い。)
Her uncle runs this restaurant.【run=他動詞】
(彼女のおじさんはこのレストランを経営している。)
同じ単語ですが自動詞の場合は「走る」、他動詞の場合は「働きかけが目的語に及ぶ」→レストランを走らせる→「経営する」になるのです。
自動詞をしっかり理解してイメージをふくらませると他動詞としても自然と意味理解できます。
文型と動詞
今回ご紹介した動詞は自動詞で使われると「S+V」第Ⅰ文型、他動詞で使われると「S+V+O」第Ⅲ文型で使われます。
実は、すべての英文の骨格は文型です。
学校で5文型を学習した記憶があるかと思いますが、何よりも大切な要素です。
文型にはきちんと意味があり、英文そのものを支配しています。
動詞はその文型の意味理解を助ける部品となります。英語そのものの基本である「文型」をしっかり把握しながら、日々英語に接していきたいですね。
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