皆さん、こんにちは。
今日は、「色を使った慣用句・イディオム」を紹介します。
日本語には「青天の霹靂」や「バラ色の人生」「腹黒い人」など、色を使った表現がいくつもあります。表現に色を加えると、それぞれの色がもつイメージを伴って、表現がより豊かに、リアルに伝わるニュアンス。実は英語も共通しています。
この記事ではたくさんの色の中から<その1>として「赤・白」の2色を使った代表的なイディオムを紹介します。
日本語と捉えるイメージが少し異なる色もありますので合わせて解説します。
色を使った慣用句・イディオム「赤(red)」
パッと目を引く「赤(red)」のイメージは「情熱」「生命」「愛」「特別」といった活動的なイメージと、赤が血の色をイメージすることから「暴力」「戦争」「死」「「革命」といったネガティブな感情を表現するときにも使われます。また、「禁止」、「損失」といった意味もあり、共通するのは強いエネルギーを表現するシーンということです。
・paint the town red 「大騒ぎ」
昔、大騒ぎをするときは、きまって花火や、焚き火をしたことからの由来だと言われています。
Let’s paint the town red tonight.
(今夜はおおいに騒ごうよ!)
・be in the red 「赤字・欠損」
帳簿で負債を赤字で記入したところから、日本でもマイナスを赤字と表現します。
The company has been in the red for two quarters.
(その会社は2期連続で赤字決算になりました)
・catch someone red-handed 「現行犯逮捕する」
「赤い手の人」=「手に血がついている人」というイメージから「犯罪に手を染めた」人がつながります。
They caught her red-handed stealing away all the money from the safe.
(彼らは彼女が金庫から、保管されていたお金のすべてを盗むところを、現行犯逮捕した)
・red-letter day 「「記念すべき日、お祝い日」
その昔、教会のカレンダーで聖日を赤でマークする習慣があったことからの由来です。
「red-letter」のようにハイフン(-)が必ずつきます。
July 4th is a red-letter day in America.
(7月4日はアメリカでは記念すべき日だ)
色を使った慣用句・イディオム「白(white)」
「白(white)」がもつイメージは「無地」「無垢」そして日本語の「白旗」ヵらもあるように「降参」です。また、幽霊の姿が白で表現されることから「恐怖」を指すこともあります。
・white lie 「悪気のない嘘」
「white」の「無垢な」という意味から「相手を傷つけないための嘘」「悪気のない嘘」という表現で使われます。日本語の「嘘も方便」という表現に近いです。
Sometimes it is better to tell a white lie than to hurt someone’s feelings.(誰かを傷つけるよりも、悪気のない嘘をついたほうが良いときがある)
・white as a sheet 「血の気のない、真っ青な」
「シーツのように真っ白な」から血色が抜けて真っ青になっている様子を表しています。
日本語では「真っ青」と表現しますが、英語では「真っ白」と表現します。この違いは白人とアジア系の肌の色の違いから由来したのかもしれません。
His face turned white as a sheet when he heard the news of the accident.
(事故のニュースを聞いて、彼の顔からまったく血の気が失せた。)
・raise(wave,show) the white flag 「降参する、諦める」
日本語でも「白旗をあげる」と言いますが、「負けを認めること」ですね。動詞は(揚げる、振る、見せるなど)いろいろなものが使えます。
They raised the white flag as a sign that they wish to surrender.
(彼らは降参の意思として白旗を揚げた)
・show the white feather 「弱音を吐く」
昔、闘鶏の世界では、白い尾羽の雄鶏は弱いと言われていたことからの由来です。
Finally I showed the white feather cuz my job is extremely hard.
※cuz=because
(仕事が大変過ぎるので、私はついに弱音を吐いた)
まとめ
いかがでしたか?
今回は色を使った表現、中でも「赤(red)」と「白(white)」使った、代表的なイディオムを、解説しました。
色のイメージは、人間の抱く複雑な感情や、微妙な状況をより鮮明に印象付けることができます。また、英語と日本語とでは少し色の捉え方が異なることもポイントです。
これからシリーズで色を使ったイディオムをご紹介していきます。
お楽しみに!
予備校や学習塾で、幼児から社会人まで幅広く英語を指導し、20年以上。
特に、「英語を苦手」とする人への学習に対する向き合い方や、
考え方のアドバイスで「英語の面白さ」を理解してもらえることが何よりも嬉しいです。
英語習得は単なる暗記ではなく、ネイティブの子供が英語を身に付けるように
「イメージ」から理解するメリットや、単語の深い意味など
英語についてお話していきたいと思います。
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