こんにちは。
今回も前回に引き、続き色を使ったイディオム<その4>(ピンク・銀・紫・金)を紹介します。
※前回の記事「【使える英語表現!】色を使ったイディオムを紹介 ③(黄・黒)」を見逃した方はこちらからどうぞ!
色を使ったイディオムは今回で最終回です。
特に(金と銀)に関してはその色自体が輝いていることから「高級」「お金持ち」といったイメージがすぐに浮かぶと思います。また、どちらも希少価値の高い金属ですので、「特別」といったニュアンスも加わります。では、イディオムをご紹介しながら解説していきます。
「ピンク(pink)」を使った英語イディオム
英語では、ピンクは赤ちゃんの頬の色や女性をイメージさせる色から「優しさ」「可愛らしさ」「若さ」「健康」と、プラスイメージが強い色です。ところが、一部にはショックな通知を表す色でもあります。
see pink elephants(ピンク色の象を見る)→「幻覚を見る」「酩酊する」
直訳すると「ピンク色の象を見る」ですが、ピンク色の象は存在しないため、アルコールや薬などで「幻覚が見える」ことを表現しています。
ディズニーアニメ映画の「ダンボ」で、主人公のダンボが酔っ払ってしまい、ピンクの象のパレードの幻覚を見るシーンからの由来といわれています。
Flying spoon? That’s definitely his pink elephant when he got drunk.
(空飛ぶスプーンだって?それは酔った時の彼の幻覚に決まっているよ)
pink slip(ピンクの紙切れ)→「解雇通知」
アメリカでは、昔クビを表す解雇通知を給料明細の入った封筒に入れられて、渡されていました。解雇通知用紙の本人控えがピンク色であったことから、このイディオムが生まれたといわれています。
Management started issuing pink slips yesterday.
(経営陣は昨日、解雇通知の発行を開始しました。)
「銀色(silver)」を使った英語イディオム
英語の「銀色」のメージは「高級」「輝き」です。銀は金属特有の輝きを放ち、希少価値が高いことから「裕福」「贅沢」を表現する色として認識されています。
born with a silver spoon(銀のスプーンと共に生まれる)→「裕福な家庭に生まれる」
裕福な家庭では食事時の食器に銀製のものを使用し、子どもが小さい時はから銀のスプーンで食事を食べさせていたことから生まれた表現です。生まれながらにして恵まれた環境にいたという意味になります。
Tony was born with a silver spoon in his mouth.
(トニーは裕福な家に生まれた)
silver lining(銀色の裏地)→「希望の輝き」
今(表)がつらい状況、困難な状況と対比して、裏は輝いている=「希望の兆し」があるという前向きなメッセージになります。
有名な以下のことわざから使われるようになりました。
Every dark cloud has a silver lining.
(いかなる暗黒であっても銀色の裏地を持っている)
→「いかなる困難な状況にも希望の兆しがある」
There might be a silver lining to this crisis.
(この危機には希望の兆しがあるのかもしれません)
「紫色(purple)」を使った英語イディオム
東ローマ帝国の王妃の産室(出産の部屋)が紫の装飾で飾られていたことから紫は「位が高い」とイメージされるようになったという説があります。日本でも聖徳太子が制定した「冠位十二階」は、紫が一番上の位に位置づけられており、共通して「高貴」な意味を持つようです。
born to the purple(紫に生まれる)→「皇室、王室の家庭に生まれる」「特権階級に生まれる」
She was born to the purple and a very different world to my own
(彼女は上流階級の生まれで、私とは別世界の人だった)
purple patch(紫色の布片)→「幸せな時期」
「高貴」を意味する紫ですが、この色の布片をシンプルな衣類にあてて飾りつけるイメージを文章の世界の中で例えて表現しています。単調で飾り気のない文章に華麗な文体でドラマティックに変化させることですね。スポーツや経済のニュースなどでよく使われる、幸運な時期というニュアンスを表現し、「purple passage」とも言われます。
I passed the audition for the role I have wanted to play. I think it must be the purple patch in my life.
(私は前から演じたかった役柄のオーディションに合格した。私は、今が最も幸せな時期に違いないと思う
「金色(gold)」を使った英語イディオム
英語で「金色(gold)」のイメージは「金貨」をイメージすることから「お金」と「高い価値」です。日本語でも価値の高いものに金箔が貼られて、金屏風や金仏などがあることから同様のイメージととらえることができます。
strike gold(金を掘り当てる)→「高い価値のものを見つける」
「金を掘り当てる」という意味から「お金持ちになる」「大金を儲ける」につながります。
Some investors have struck gold investing in the transportation company.
(その運送会社に投資して大金を儲けた投資家たちがいた)
as good as gold(金と同じぐらい良い)→「行儀正しい、大人しい」
「金のように良い」[価値がある」とペットや子どもが「行儀が良い」「おとなしい」といった2つの意味があります。どちらの意味かは話や文の流れで判断することになります。
My horse is as good as gold.
(わたしの馬は金と同じぐらい価値がある)
(わたしの馬は行儀が良い)
まとめ
最終回として、色を使ったイディオム<その4>(ピンク・銀・紫・金)を紹介しました。日本ではプラスイメージであっても、英語ではマイナスイメージの色やその反対など、それぞれ抱くイメージが異なる場合があることが理解できたのではないでしょうか?
ぼんやりでも色のイメージを覚えておくとジョークに使われた時などにも理解しやすいと思います。
イディオムは口慣らしして身につけておくようにしましょう。
予備校や学習塾で、幼児から社会人まで幅広く英語を指導し、20年以上。
特に、「英語を苦手」とする人への学習に対する向き合い方や、
考え方のアドバイスで「英語の面白さ」を理解してもらえることが何よりも嬉しいです。
英語習得は単なる暗記ではなく、ネイティブの子供が英語を身に付けるように
「イメージ」から理解するメリットや、単語の深い意味など
英語についてお話していきたいと思います。
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