こんにちは。
今回も、前回の色を使ったイディオム<その2>(青・緑)に引き続き<その3>として「黄・黒」の2色を使った代表的なイディオムを紹介します。
※前回の記事「【使える英語表現!】色を使ったイディオムを紹介 ②(青・緑)」を見逃した方はまずこちらからどうぞ!
同じ色でも日本語では「快活」「明朗」「注意」といったイメージの「黄(yellow)」と「腹黒い」といったマイナスイメージの強い「黒(black)」ですが、英語ではどのようにとらえられるのでしょうか?イディオムをご紹介しながら解説していきます。
「黄(yellow)」
日本語では活発なイメージの強い「黄(yellow)」ですが、英語では、「臆病」「腰抜け」「小心者」「役立たず」といったダメモード全開な表現に使われています。これは、イエス・キリストをだましたユダが着ていた服の色が黄色だったという聖書の話が由来といわれています。
yellow-bellied 「腰抜けの」「臆病な」
英語では「腰抜けの人の肝臓には血が流れていない」という冗談があり、そこから「血が通っていない黄色いお腹(belly)を持った人」と表現するようになったといわれています。他にも「臆病なトカゲのお腹が黄色い」ことが由来という説もあります。
My son cower as soon as even a faint sound, so he is yellow-bellied.
(息子はかすかな物音でさえ、すぐに縮こまってしまうので、臆病者です)
yellow journalism 「事実を誇張して伝える報道」
昔のニューヨークの新聞に連載されていた漫画の主人公の名前から由来していると言われています。新聞社同士の発行部数競争のため、記事内容に誇張させた事実を盛り込み、読者の関心をひく動きがあったことから生まれた表現です。
It’s just a yellow journalism, don’t believe that.
(それは、ただの大げさな報道だから信じなくていいよ)
yellow streak 「臆病な性格」
「臆病」な意味に、「streak(傾向)」をつけて「臆病な性格」と表現します。
Rick has a yellow streak and he never went against his parents.
(リックは臆病者で、両親に逆らったことは1度もない)
yellow dog 「卑怯な」
日本語でも誰かをけなすときに「あの犬!」と言うことがあるのと同様に考えるとわかりやいですね。「卑怯な犬野郎!」という感じに、相手のののしる時に使われ、物語や映画のセリフに見かける表現です。
Bob was the yellow dog, and he’s not my friend any more.
(ボブは卑怯なやつだった。もう友人ではないよ。)
「黒(black)」
「黒(black)」のイメージはその色から、「あざ」「邪悪」そして、別の色との比較で対比を表現するフレーズもあります。
black sheep 「厄介者」
たくさんの白い羊の中に1匹だけ黒い羊が混じっているととても目立ちますね。その様子から、大勢の人とは違うことをする人=「厄介者」という表現になります。
Harry is the black sheep of our class.
(ハリーは私達のクラスの厄介者だ)
black out 「記憶がなくなる」「意識を失う」「失神する」
意識を失うと目の前が真っ暗になり、頭の中に覚えていたことが黒く塗りつぶされていくというイメージから「記憶がなくなる」「意識を失う」と表現されます。
Have you ever blacked out from drinking too much?
(飲みすぎて意識を失ったことはある?)
black and blue 「あざだらけ」
打ったところがあざになると、青黒い色になることから生まれました。ケンカしてボコボコに殴られたりした姿を表現するようなときに使われます。痛々しい姿です。
I had black-and-blue marks all over me from where they were punching and hitting.
(彼らが殴ったり打ったりしたところから、私は身体中があざだらけになりました)
in the black 「黒字で」
対義語:in the red「赤字で」
日本語のままで理解しやすい、経済状態を表します。in the black 「黒字で」は借金がない状態、反対に、in the red「赤字で」は借金している状態を表現します。
After years of hardship, our company is back now in the black.
(何年もの苦難を超えて私達の会社は今、黒字に戻っています)
まとめ
今回は色を使った表現、<その2>「青・緑」に引き続き<その3>「黄・黒」の2色を使った代表的なイディオムを解説しました。
「黄(yellow)」は日本では快活なイメージの色ですが、英語では聖書から由来した「臆病者」「厄介者」といったマイナスのイメージになります。
「黒(black)」は文字通りに日本語と同じの「黒字」の意味のほか、「記憶がなくなる」、身体を打ったときのあざの色をイメージさせることから「あざだらけ」など、痛々しい表現に使われます。
色のイメージを理解してからフレーズを覚えると、会話や英文の中での流れがつかみやすくなります。
色を使ったイディオムのご紹介は次回で最終回です。
お楽しみに!
予備校や学習塾で、幼児から社会人まで幅広く英語を指導し、20年以上。
特に、「英語を苦手」とする人への学習に対する向き合い方や、
考え方のアドバイスで「英語の面白さ」を理解してもらえることが何よりも嬉しいです。
英語習得は単なる暗記ではなく、ネイティブの子供が英語を身に付けるように
「イメージ」から理解するメリットや、単語の深い意味など
英語についてお話していきたいと思います。
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