【使える英語学習】英語と日本語のノートとメモについて《note vs memo》

みなさん、こんにちは。

 

今回は「ノート」と「メモ」のお話です。

日本語で「ノートをとる」と「メモをとる」はどのような場面を想像しますか?

 

ノートをとる→罫線の入った冊子状に綴られた紙に記録する

メモをとる→小さな紙切れに少し書きとめる

 

という感じでしょうか。どちらも、自分主体で「何かを書いて記録する」イメージになるかと思います。使い分けは紙のサイズですね。

ところが、英語はnoteとmemoに、もっとはっきりとした使い分けがあります。

それは「内容を誰と共有するか」というところです。詳しく解説していきましょう。

 

英語のnoteとは

英語での「note」の概念は「他人と共有しない、自分のための情報(覚え書き)」です。

自分が理解するためのもの。つまり、日本語の「メモ」がこれにあたります。お買物メモ、気になった本のタイトルメモなどですね。

 

ノートのことを英語で「notebook」といいますが、「自分用の覚え書き(note)が本(book)のようになっているもの」とイメージすると分かりやすいと思います。

また、付箋は「sticky note」(くっつける覚え書き)と表現します。

 

「note」を英英辞書で調べると、次のようになります。

「note」=a short informal letter/something that you write down to remind you of something

(略式の短い手紙/何かを覚えておくために書きとめておくもの)

 

例文をみてみましょう。

The note says “If you realize this, please call Tom”.

(メモには「これに気づいたらトムに電話してね」と書いてあるよ)

 

Did you check the note about the debate?

(その討論会についてのメモを確認した?)

 

The phone number is written on the sticky note.

(電話番号は付箋に書いてある)

 

その他、「note」は「注意」「注釈」などを口頭や書面で伝えるときにも使います。

 

Our soccer coach gave us a few notes in yesterday’s game.

(サッカーのコーチが私達の昨日の試合について気づいた点を話してくれた)

 

英語のmemoとは

英語での「memo」は略語で、正式な単語は「memorandum」です。

紙に書かれている覚え書きであることは「note」と同じですが、概念は「他人と共有する、連絡情報(覚え書き)」です。社内やサークルなどのグループ内で共有するための情報になります。日本語の「メモ」と大きく違いことがわかりますね。

 

「memo」を英英辞書で調べると、次のようになります。

「memo」=formal a memo/a short legal document that contains the important details of an agreement

(正式な覚え書き/契約の重要な詳細を含む短い法律文書)

 

会社や公の場で、自分だけでなく、誰かと共有する情報であることがイメージできると思います。

 

Didn’t you get the memo?

(知らなかったの?)

相手を責めずに「あれ、伝わっていなかった?」というニュアンスの表現です。

 

The accusations were first set out in an internal memorandum to the chairman.

(その告発は、最初に会長への内部覚書に記載された)

 

We have endorsed a resolution on your memo and sent it to the committee.

(我々はあなたの覚書の決議案を承認し、委員会に送りました)

 

「メモする」を実践的に使ってみよう

日本語の「メモする」は「make a note」「take a note」というように名詞として使うことも、それ自体を動詞として使うことも出来ます。また会話では、「jot」というカジュアルな表現方法もあり、日本語の「メモる」にぴったりです。

 

Please make a note my E-mail address.

(私のEメールアドレスを書きとめてください)

 

Please take a note before downloading.

(あらかじめ控えをとってから、ダウンロードしてください)

ここでは「take a note」が「控えをとる」意味になりました。大事な部分をメモして控えておくイメージですね。

 

Hold on, please, I’ll jot down.

(ちょっと待ってください、メモリますね)

 

まとめ

日本語では一括りにされていた「メモをとる」という表現ですが、英語では「note」と「memo」の2つの表現があり、それぞれきちんと概念があることがわかりました。

「note」=自分の覚え書き、日本語の「メモをとる」

「memo」=他の人と共有する覚え書き

1つの「なるほど」が、あなたの英語力をアップします。

例文を音読して身につけて、英会話に活用してくださいね。

 

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予備校や学習塾で、幼児から社会人まで幅広く英語を指導し、20年以上。 特に、「英語を苦手」とする人への学習に対する向き合い方や、 考え方のアドバイスで「英語の面白さ」を理解してもらえることが何よりも嬉しいです。 英語習得は単なる暗記ではなく、ネイティブの子供が英語を身に付けるように 「イメージ」から理解するメリットや、単語の深い意味など 英語についてお話していきたいと思います。