【「child」の複数形が「children」なのは、ナゼ?】不規則な複数形のヒミツ Vol.2

【「child」の複数形が「children」なのは、ナゼ?】不規則な複数形のヒミツ Vol.2

ボンジュール!ブリュッセルからお届けします。

フルーツフルイングリッシュ講師のTakuyaです。

今回は、前回に引き続き、不規則な複数形のヒミツを探っていきましょう!

※前回の記事「【「foot」の複数形が「feet」なのは、ナゼ?】不規則な複数形のヒミツ Vol.1」を見逃した方はまずこちらからどうぞ!

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古英語(5〜12世紀頃)の時代、名詞を複数形へ活用する方法はいくつか存在し、現代英語における活用語尾-(e)sは元々その一例に過ぎませんでした。

「子」child/childrenも、古英語の活用語尾-en/-ruを今なお保ち続ける好例ですが、少し不思議な現象も起こっています。

childrenの「二重複数」って、一体?

名詞childは古英語の時代、前述の活用語尾-ruによって複数形「childru」と表されました。

活用語尾-ruを始め、古英語における様々な複数形は時代と共に廃れ、現代英語の活用語尾-(e)sへと徐々に統一されましたが、名詞childは不規則な複数形をある程度の期間残し続けます。

【単数形:child → 複数形:childru

ところが、中英語(11〜15世紀頃)の時代へ入り、死語である古英語の活用語尾-ruに馴染みが薄くなった人々は、元々複数形だった「childru」に対し、複数形を示す活用語尾-enを更に付け加えてしまいます。

名詞child/childrenは、「二重複数」という誤りによって誕生した不規則な複数形なのです。

【単数形:child → 複数形:childru → 複数形:children

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全く同じ現象はオランダ語の「子」kind/kinderenでも起こっており、二重複数は必ずしも英語に限りません。

「二重複数」の例、何がある?

・「同志」brethren

教会等の宗教的な場における呼びかけで使う「同志」brethrenは、母音変異(ウムラウト)と活用語尾-enを共に使う二重複数の例として知られます。

【単数形:brother → 複数形:brether → 複数形:brethren

 

・「サイコロ」dice(/dices)

「賽は投げられた(The die is cast)」というユリウス・カエサルの名言にある通り、「サイコロ」は元々「die/dice」と単複を区別しましたが、綴り字の都合で複数形diceを単数形と誤って解釈する人々が現れ、現代英語では単複同形の名詞として扱われます。

活用語尾-sを伴う複数形「dices」は通例誤りとされますが、単複の区別を明確にするため、カジュアルな場面では目にする機会もあります。

【単数形:die → 複数形:dice → 単複同形:dice( → 複数形:dices)

 

「請求書」invoiceや「停戦」truceも本来、古英語〜中英語の時代においては「invoy」「true」の複数形でしたが、現代英語では単数形の名詞として扱い、活用語尾-esによって複数形へ活用します。

いかがでしたか?

一見、覚えるのも面倒な不規則な複数形も由来を探ってみると興味深いところがありますよね。

これで少しは覚えやすくなるのではないでしょうか?

 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

ベルギー・ブリュッセル在住。英語講師、日英仏翻訳者。趣味は料理、読書、ボルダリング。座右の銘は「You cannot find peace by avoiding life(Virginia Woolf)」。