ボンジュール!ブリュッセルからお届けします。
フルーツフルイングリッシュ講師のTakuyaです。
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ご存知の通り、英語の名詞は通例-(e)sという活用語尾と共に複数形を作ります。
一方、「足」footを始め、活用語尾-(e)sを伴わない不規則な複数形を持つ単語も、約数百存在するとされます。
名詞footの複数形が「feet」なのは、一体ナゼでしょうか?
以下の例も確認してみましょう。
不規則な名詞の複数形、何がある?
・「女」woman/women
・「歯」tooth/teeth
・「鼠」mouse/mice
・「ガチョウ」goose/geese
いずれも活用語尾-(e)sは伴わず、語中の音の相違によって単複を示すのが分かります。
その複数形、本当に不規則?
さて、古英語(5〜12世紀頃)の時代、以下の通り名詞を複数形へ活用する方法はいくつか存在しました。
現代英語における活用語尾-(e)sは元々その一例に過ぎず、名詞footを始め、「母音変異(ウムラウト)」によって複数形を作る名詞は必ずしも例外ではなかったのです。
<古英語における複数形の作り方>
・活用語尾-(e)s
・活用語尾-an/-en
・活用語尾-ru
・母音変異(ウムラウト)
・単複同形
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古英語における多種多様な複数形は、時代と共に廃れ活用語尾-(e)sへと徐々に統一されましたが、名詞footのような例が「不規則な」複数形として現代英語まで粘り強く生き残っています。
以下のような単語は、古英語の活用語尾-enや単複同形を今なお保ち続ける好例です。
・「子」child/children
・「雄牛」ox/oxen
・「羊」sheep/sheep
・「鹿」deer/deer
ドイツ語とウムラウト
英語と同じゲルマン語族に属すドイツ語は未だ、古英語と同じく様々な複数形の活用を持つ難解な言語として知られ、活用語尾-e/-en/-erの他、母音変異(ウムラウト)が頻繁に起こります。
英語と異なりウムラウト記号「¨」を使うのもドイツ語の特徴で、「足」Fußの複数形Füße/Füßen等、数多くの名詞が母音変異(ウムラウト)を含みます。
現代英語において一見「不規則」と思われるルールも、英語史を遡ってみると本来は規則的であるケースの方が大半なのです。
ベルギー・ブリュッセル在住。英語講師、日英仏翻訳者。趣味は料理、読書、ボルダリング。座右の銘は「You cannot find peace by avoiding life(Virginia Woolf)」。
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