知らなかったでは済まされない!?「引用」のしかたについて①-文中の引用(in-text citation)編-

こんにちは!オーストラリア・シドニー留学中のTakatoです!今回はアカデミックライティングの肝ともいえる、英語の文献の「引用」のしかたを紹介します。

1. はじめに

アカデミック・レポートでは、過去の資料やデータを引用して、自らの主張を客観的に述べていくことが大切です。ところでみなさん、正しい「引用」のしかたはきちんと理解していますか?

「え、引用のしかた?時間ギリギリになったら、適当にコピペして出せば何とかなるでしょ」

と一瞬で思ったそこのあなた。

あなたはアカデミックにおいて、とんでもない罪を犯そうとしています!

 

みなさんは数年前の「STAP細胞」の事件の問題を覚えていますか?あの事件は過去の文献のデータを断りなく、不適切な形で引用したため、世間では大問題になりましたよね。あの事件のように、大学に提出する論文では、ほかの人の論文やデータを自らの主張や調査であるかのように述べたり、不適切にコピー、貼り付けしたりすることは、「過去の研究成果の泥棒」であることを意味しています。これを”plagiarism(剽窃、ひょうせつ)”と呼びます。この”plagiarism”を行うことで、学生の場合は単位の取り消し、もしくは停学の処分を受けることになります。

特にレポート課題が圧倒的に多い海外の大学では”plagiarism”のチェックがかなり厳しく、不正が発覚した時点で退学の処分を受けてしまうケースもあります。最近では“Turnitin”という過去の論文や他の学生、自らが提出した前の課題からの盗用を防止するソフトを通して論文を提出するため、plagiarismが発覚されやすい時代になっています。

 

そこで、これから留学先や大学で論文を英語で書くみなさんのために、どのように過去の資料を引用するかを見ていきましょう。ここではレポートの形式で最も多く指定されるAPA(American Psychological Association,アメリカ心理学会)第6版のフォーマットで紹介していきます。

 

2. 文章中の引用(in-text citation)について

アカデミック・レポートでは文章中と最後の章に「参考文献リスト(references)」の2か所に引用した文献の情報について記す必要があります。今回は文章中に引用した資料を表記する方法、”in-text citation”について見ていきます。

(例は”University of Sydney, University Library, ‘YOUR GUIDE TO APA 6TH STYLE REFERENCING’より引用

https://library.sydney.edu.au/subjects/downloads/citation/APA%20Complete_2012.pdf)

 

3. 直接引用と間接引用

文章中の引用では「直接引用」という過去の文献を1語1句そのまま引用する方法と、「間接引用」という過去の文献の研究結果を自らの言葉で書き換える方法があります。いずれも基本は(著者の姓, 発行年数)で表記します。

「直接引用」では、40語未満の文章を引用するときには、引用部分をダブルクォーテーションマーク“ で囲み、直後に必ずページ数を表記します。

 

e.g. “A woman must have money and a room of her own if she is to write fiction (Woolf, 1929, p. 6).

複数のページにまたがる場合は、(pp.62–63)のようにpp.をつけて表記します。

 

「間接引用」は、過去の調査結果や他の研究者の主張を書き換えて述べる際と、内容やアイデアのみに言及し文中において引用を明示せずに述べる引用のしかたがあります。

前者は著者名の直後にかっこ付きの発行年を置きます。焦点は過去の研究者にあります。

 

e.g.Austen (1813) observes that…

According to Austen (1813),…

後者は文末に、参考とした文献、裏づけにしたい文献の著者の姓と発行年を( )で囲います。

e.g. (Austen, 1813)

 

4. secondary referencingとは

自分が読んでいる論文の著者が参照した文献の内容について触れることも、レポートではよくあります。これを、secondary referencing(2次参照)と言います。secondary referencingでは文章中では以下のように表記します。

e.g. Moore (as cited in Maxwell, 1999, p. 25) stated that…

この例は実際に読んでいる論文がMaxwell (1999)で、その論文が引用しているMooreについて述べたい場合に用いる表記方法です。ただし後日紹介する「参考文献リスト」では、実際に読んだ論文や資料をリスト化するため、リストに載せられるのはMaxwell(1999)でMooreの文献はリストに入れることはできません。

5. おわりに

今回は、文中で文献を引用する際の基本について見ていきました。

引用はルールが複雑な箇所もありますが、まずは自分の興味のある論文に目を通して、その引用のしかたをまねてみることが大事です!次回はその応用編として「複数の著者の引用」や「同じ著者の複数の文献の引用」などを紹介します。またお会いしましょう!

 

なお、フルーツフルイングリッシュでは、よりご自身の表現力をより豊かにするためのトレーニングが2回まで無料で受けられます。ぜひお試しを!今すぐここ↓↓↓をクリック!

※このブログでは英語学習に役立つ情報アドバイスを提供していますが、本ブログで提供された情報及びアドバイスによって起きた問題に関しては一切、当方やライターに責任や義務は発生しません。
※ここでの情報や助言を参考に英文を書いたり下した判断は、すべて読者の責任において行ってください。ここに掲載されている記事内の主張等は、個人の見解であり当社の意見を代弁・代表するものではありません。

1 Star (12 イイネ!が押されています)
この記事が良いと思ったらイイネ!を押してください。
読み込み中...
 HOMEへ戻る 

コメントする

コメントは認証制です。執筆者に認証されるまでは表示されません。

CAPTCHA


ABOUTこの記事をかいた人

私立高校で英語教師を務めた経験を持ち、2018年〜2019年にオーストラリアのシドニーのマッコーリー大学で応用言語学TESOL修士を取得した講師。日本語を英語に置き換える逐語訳ではなく、どうすれば英語として自然なのか、適切なのかをしっかりと指導できるところが人気です!アカデミックライティングについても知識が豊富です。