ビジネスブログの読者の皆さん、こんにちは。講師のShinichiです。
前回までのOffice Chitchatの記事はお楽しみいただけましたか。
興味のある方はコラからどうぞ: Business Small Talk (1); (2); (3)
今回から、「取引と契約」に進みます。
日本と欧米、「取引と契約」の発想が根本的に違う⁉
私は、よくBusiness development「ビジネス開拓(販売強化)」について外国籍のビジネス系の人達と話すことがあるのですが、よく聞くのが日本側と取引する時の取り組み姿勢の違いや進め方の違いです。
この状況を深く探ってみると、日本側の取引と北ヨーロッパまたは北アメリカの取引では発想自体が本質的に違うことに気付いてきました。結果から申し上げますと、以下の様なことです。
取引会議を想定します。
取引会議に関する一番大事に考えている事項
1.日本の取引対応先:「お互いの信頼感の醸成」 2.北欧州/北アメリカの取引対応先:「契約内容と計画条件」
取引会議の最終目的
1.日本の取引対応先:「現場でその都度対応できるお互いの信頼を作る」 2.北欧州/北アメリカの取引対応先:「間違いのない、綿密なお互いまたは当方に都合の良い綿密な契約書の作成」
契約書作成の意味
1.日本の取引先:「基本的な取引土台の構築、詳細は、現場でその都度対処すれば良い。」〜その後何か起こったら現場と中間管理職に任せる。数ページの契約書で良い。
2.北欧州/北アメリカの取引先:「現場には任せない、どの様な非常事態、考えられるリスクや問題の発生に対処可能な予め決められた条件作成が必須。」〜何十、何百ページの契約書になりやすい。
実際にありそうな英語での取引劇を見てみよう!
ここで、実際にありそうな取引劇を覗いてみましょうか。日本側が山猫商会で、アメリカ側がThe Acmeという会社を想定します。
Acme’s manager said, “Let’s talk about the current situations of our possible deals and the basic concepts of this possible project.”
(アクメ社の責任者が言いました。「我々が取り組むかもしれない取引の現況と取り組むかもしれないプロジェクトの基本的な考え方について話し合いましょう。」)
Yamaneko Shokai’s employees started murmuring*1, (山猫紹介の従業員達が*1---ました。)「おいおい、挨拶もなくいきなり仕事の話かよ。」「これじゃ、打ち解けられないよ。」
Yamaneko Shokai’s supervisor said, “Shall we talk about today’s schedule? First, we would like to introduce our company and members, then talk about the main business and from 6 o’clock, we will invite you to a dining and drinking party at a restaurant we have already reserved.”
(山猫商会の係長が語りました。「今日のスケジュールについて話していいですか。まず、会社とメンバーの自己紹介、そして主な事業の話をして6時にレストランで既に飲食パーティを予約してあるのでお招きさせていただきたい。)
Acme’s manager said, “I see. We can introduce each other briefly in ten minutes. But no. No drinking party is necessary. We have to concentrate on many tasks and talk about issues related to this project. I believe you understand our deal is a critical*2 one. We haven’t decided if we should start the deal or not. Why would we have a party?”
(アクメ社の責任者が言いました。「わかりました。簡潔に10分間でお互いについて紹介しましょう。でも、飲み会は必要ないです。いけません。多くの難しい仕事や、このプロジェクトに関する問題点に集中しなければなりません。この取引は *2--- だとそちらも理解いただいでいますよね?まだこの取引を始めるかどうかも決まっていません。どうしてパーティなど出来ましょうか。」
A Japanese employee whispered*3to the interpreter, (日本側の従業員は、通訳担当に*3 --- ました。)「係長の面目が潰れるよ。せっかくアメリカから来たばっかりだからまず接待を考えたのに・・・、」
さて、まだ話は続きますので次回をお楽しみに。
語彙を広めましょう:
*1. murmur [自動詞/他動詞]「つぶやく/ぶつぶつ言う」
*2. critical [形容詞]「とても重要な/極めて重要な」
*3.whisper [自動詞/他動詞]「ささやく」
講師 Shinichi
2004-2006年に米国資産評価会社ニューヨーク本社付け日本地域プロジェクトの翻訳専任担当で日英翻訳デビューしました。現在に至るまで翻訳に関わりながら、経営コンサルタント・事業管理など実務を経験しています。英国大学・大学院で、英語基礎コースを経て経営学修士と金融投資スペシャリズムの取得まで、エディンバラ市に3年在住していたことがあります。多国籍企業の役員からバイオ科学者、企業家、大学長、環境保護活動家など様々な外国籍友人がおります。
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