こんにちは、さゆりです。
クイズです。
John Smith さんにメールを書きます。さて、書き出しで正しいのは、下の1.2.3のどれでしょう?
- Dear Mr. John Smith,
- Dear Mr. John,
- Dear Mr. Smith,
答えは、1.と3.になります。
「エッ」と思われた方は、意外に多いのではないかと思います。
何故2が使えないかというと、名前 (first name) に敬称(Mr. Mrs.)を付けるのはアメリカ南部の方言で、文語では使用しないからです。Mr. Mrs. を付ける場合は、苗字、或いはフルネームを使用します。
1.は一番正式な敬称、3.は、1.よりはinformal、Dear Johnとするとカジュアルな敬称になります。親しい間柄では、Mr.を削除して、Dear Johnとしても差支えありません。
なぜ日本人は間違えやすいのか?
何故この間違いが頻出するかについては、英語の先生を目指すnon-native にメルボルンで英語を教えているアメリカ人の友人によりますと、日本で英語を学ぶ際に、Mr. Miss Mrs. などの敬称は、「John Smith さん」の「さん」の代替として教えられるからではないかと言われ納得しました。
Mr. John 口語では今も使われる地域もある
このMr. John という表現は、今でもアメリカ南部では使用されている(特に口語)と思いますが、実は奴隷制度の名残りをとどめる表現でもあります。Gone with the Wind (「風と共に去りぬ」)でMammy(ばあや)はスカレートをMiss Scarlet と呼びますが、白人はScarlet 、Miss O’hara と呼んでいます。 Driving Miss Daisy という映画もそうですが、黒人奴隷が女性にアドレスする時に一種の親しみを込めて使用したものです。ただ奴隷制度のもとでも、白人男性にアドレスする時は、ファーストネームではなく、Mr.Smithと苗字を使用したようです。
(このMiss Scarletの用法は、英国の貴族制度と一部関係があるそうですが、ちょっとそこの所は調べていません。)
ですから、Native がビジネスメールを書く場合、Dear Mr. John,とするのは(日本人がDear Mr. John,としても、相手が怒ることはないと思いますが)、まああり得ないと言うことになります。
Dear Mr John Smith これも間違いではないんです!
また、Mr. 、Mrs.のあとのピリオドですが、これは最近のイギリス英語圏では、省略される傾向にあります。新聞でも、Dear Mr John Smith、 Dear Mr Smith とする場合が多いです。但し、これをアメリカの学校でやると減点になるかもしれません。余談ですが、娘がアメリカの小学校に通っていた時に、centreをcenterと赤ペンで訂正されて、憤慨していました。その辺はアメリカは、トランプさん登場前からとても自国主義(というか外を知らない)です。戦争までしてイギリスから独立したのですから、そのくらいは当然なのかも知れませんが。
迷ったら、丁寧な敬称をつけましょう!
また、オーストラリアの場合は、それほどカジュアルなメールでなくても最近はHi John, が一般的になっています。例えば、電気会社などからのメールなどでも、Hi Sayuri, がほとんどで Dear Sayuriは滅多にお目にかからなくなりました。ただ、アメリカでは、まだ Dear Sayuriが一般的なので、自信がない場合は、Dear Sayuriの方が無難でしょう。丁寧過ぎると気分を害する人はいないと思いますので。
「聞くは一瞬の恥、聞かぬは一生の恥」と良く言いますね。
まさか「一生の恥」とは言いませんが、こんなシンプルな事でも一回は誰かが指摘してくれないと、何度も同じ間違いを繰り返すことになってしまいますので、参考にして下さい。
現在、オーストラリアのメルボルンに在住です。
日本を1991年に離れ、オーストリア、アメリカなどに居を構えました。20年近く、外資系金融機関で、リサーチ、営業に携わってきたので、専門は、金融/経済/会計ですが、現在は幅広く翻訳の仕事をしています。
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