こんにちは。講師のMegumiです。今日は少し面白いことがありましたので、ご紹介させていただきます。
私は翻訳のお仕事もしており、主にエンタメ系の案件に関わっています。ご存知の方も多いと思いますが、日本の漫画やアニメのいわゆるサブカルチャーは海外でも人気で、様々な国で翻訳されています。先日、ふとあるきっかけで、アメリカで購入した『暗殺教室』を読む機会がありました。このお話は暗殺者を目指す生徒が通う学校を舞台にしたお話なのですが、第一巻の出だしで朝のHRのシーンがありました:
「HRを始めます。日直の人は号令を」
「起立」(生徒たち一斉に銃を構える)
「気をつけ」(照準を合わせる)
「れーい」 (発砲)
このシーンですが、これが何とも面白く訳されていました。上から:
“Let’s get going. Everyone, stand for pledge.”
“Now.”
“Get ready”
“FI-I-I-RE”
これはアメリカで購入したものなので、当然、アメリカの読者がわかるように訳されているのですが、注目は最初のHRのセリフの対訳であるstand for pledgeですね。pledgeは担保や証など様々な意味がありますが、一番はおそらく誓約や公約という意味で用いられると思います。そこで、このstand for pledgeが何なのかというと、実はアメリカの学校では朝、定期的に国旗に向かって宣誓をする習慣があるようなのです。そこで、このシーンではその習慣を日本のHRのお決まりのセリフに当てはめて、次のget readyとfireへつなげているわけなのです。これには思わず“なるほどな”と唸ってしまいました。
ただ、文化の違いをこのようにいつでもきれいにまとめることができる、というわけではありません。それでも言葉と一緒にこうした習慣も学んでいく、そしてそれをうまく還元できた時の達成感は、外国語を学ぶ者・使う者の大きな喜びですね。
神奈川県在住です。現在、翻訳のお仕事をしながら講師のお仕事をさせていただいています。海外は学生時代にオーストラリアおよびフランスに滞在(いずれも1~2ヶ月と短期です)、結婚後に中国に3年住んでいました。外国の文化や言葉が好きなので、現在も英語、中国語、フランス語と広く(浅くならないよう・・・)仕事に生かしています。趣味はとにかくマンガやアニメ、映画やドラマなど、サブカルチャーなものが大好きです!現在のストレス発散法は音楽、料理、ガーデニングです。皆さんの学習を少しでもお手伝いできれば嬉しく思います。よろしくお願いいたします。
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