皆さんこんにちは!
イディオムを暗記する上でも英文を解釈する上でもとても大事な要素が前置詞です。みなさんは前置詞の知識はお持ちでしょうか。
前置詞といえば「名詞の前に置く詞(ことば)」であり、in、for、to、at、ofなどがそうですね。
これら前置詞にはそれぞれコアとなる性質、意味を含んでいるのです。
今回それらの全てをお伝えするのは難しいので、その中でも特によく目にする「to」の性質についてまずは詳しくみていきましょう。
toというキャラクターが持つイメージを理解することで解釈の幅も圧倒的に広がり、読解スピードの短縮に繋がることでしょう。
前置詞「to」の基本イメージをしっかり掴もう!
それでは早速前置詞「to」の核となるイメージをお伝えしていきます。
それはずばり「対象に向いている」です。
「視点が何か対象物に向かっている」、というニュアンスを持っています。
わかりやすい例でいえば、
He goes to school.
She came to the party.
My brother gave a book to me.ですね。
彼の視点は学校という建物に向いていますし、彼女の視点はパーティーというイベントに向けられているのがわかります。また「本」は「私」という人物に向かっているわけです。
だから、このような文章ではtoが使われるのです。
もちろんこれらは中学生の頃によく登場する英文ですので、わかりやすい例ですね。
前置詞「to」=「対象に向いている」をイメージしよう!
それではこのような文章はどうでしょうか。
・Our teacher pointed to the picture. (私たちの先生はその絵を指さした。)
・Many children danced to the music. (多くの子どもたちはその音楽に合わせて踊った。)
toの「対象に向いている」というイメージを意識してみると、理解しやすくなるかと思います。
先生の指は「絵」という対象物に向いていますし、子どもたちは「音楽」という対象に向けられ踊っているのです。このようにtoの持つ性質を認識しながら、英文を読むようにするとすんなり解釈することができるのです。
またこのような文章はどうでしょうか。
① I sometimes take a walk from my house to the park. (私は時々家から公園まで散歩する。)
② My boss prefers coffee to green tea. (私の上司は緑茶よりコーヒーが好きです。)
③ A lot of scientists found the solution to the problem. (多くの科学者はその問題に対する解決策を見つけた。)
これらも全てtoの性質を活かして読み進めるとわかりやすいかと思います。
①の文章は「私の家」という場所から、視点は「公園」という対象物に向けられていて、そこに向かって散歩しているイメージです。
また②の文章は、「緑茶」という対象よりかは「コーヒー」を好む、といった「ある対象物に向いている」というコアのイメージを少し広げて、「比較」している場面を想像するとわかりやすいかと思います。つまり「緑茶とコーヒーという対象物の間を視線がキョロキョロ向いている」=「比較している」というイメージの広がりを持つのです。
③の文章も、「その問題」という対象物に向けられている「解決策」を指しているので、toが使われているということです。このようにtoは全てあるものへと何かしらの方向性を示している、と解釈することができます。
その性質を把握していれば筆者の主張であったり、英文が示している内容をより深く理解することができるのです。
前置詞をきちんと理解すれば英語学習が楽になる!?
いかがだったでしょうか。
今回は数ある前置詞の中から「to」をピックアップして説明しました。
前置詞については学校で詳しく習わない単元かと思いますが、英語学習者のみなさんにとってはとても大切な単元です。前置詞の知識を活かすことでイディオムを暗記するとき、その苦労は激減するのです。
例えば、英検準一級に頻出のadhere to (~を遵守する)、cater to (~に便宜を図る)、cling to (~にしがみつく)も全てtoが使われていますが、「ある対象に向いている」という性質を知っていれば何となく意味を推測することもできるのです。
このように単語やイディオムを覚える際にも重要ですし、英文解釈をするときにも重要な前置詞ですので、これからまた機会があればその他の前置詞の性質についても説明していきます。
今回お伝えしたtoの性質を今後の学習に活かしていきましょう。
国際系の大学を卒業後、オーストラリア留学、某国産自動車ディーラー営業職、子ども英会話教室マネージャー、公立中学校の特別学級の担任、都内にある某有名出版社の英文添削者(主に国公立難関校志望の生徒さんを担当)を経験。さらに中学・高校の英語の教員免許取得、英検準一級合格、TOEIC730(2020年1月受験結果)、メンタル心理カウンセラーの資格を活かし、10年以上英語担当の塾講師として全国の学習者の指導に当たっている。また不定期にセミナー講師(心理学を応用した英語学習や自己啓発、スピリチュアル関連)も務めている。
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