みなさん、こんにちは、Kenです。
これまで、語源についていろいろと紹介してきましたが、
今日はアルファベットの歴史について書いてみようと思います。
W は “ダブル = 2 ” ではない
英語であるかのように日本語では使われているけど、実は英語では通じないよ、
というものはいろいろありますが、その一つに
W で “ダブル = 2 ” を表すこと
があります。
・ダブルバーガー = Wバーガー
・ダブルベッド = Wベッド
のような表現は日本語では目にすることもありますが、Wで「ダブル = 2」を表すのは、英語ではできません。
これは
double
と
W = “「ダブリュー」= “double u”
を混同してしまったものだと思われます。気をつけましょう!
・・・ところで.
W は “ダブリュー = “double u” ですが、なぜ “=「ダブルヴイ」ではないのでしょう?この文字のデザイン的にはvが2つ並んでいるのに。
ちなみに、このWというアルファベットは、ヨーロッパでは「2つのヴイ」と呼ばれることが多いです。
フランス語: double v 「ドゥブル ヴェ」
イタリア語: doppio vu 「ドッピア ヴー」
スペイン語: uve doble 「ウヴェ ドブレ」
それぞれの言語ではこのように読みます。英語は「2つのユー」なのに。
WもUも、そのルーツはV
その理由はアルファベットの歴史にあります。
そもそも、ラテン語にはU、Wはなく、UやWで表されるような音はVで表記されていました。その後、Uが登場しても、UはVの異体字として扱われていた時代もあり、別の文字として扱われるようになったのは19世紀以降なのです。
また、Uと同じくWの歴史も浅く、英語のみが「2つのユー」と表現することからも、VとUが混同されていた時代がある、ということがわかります。
その証拠に
宝飾品の「ブルガリ」の創業者は Sotirio Bulgariという銀細工職人。しかしこのブランドは
BVLGARI
というスペルですね。
これはブランドのイメージとして伝統や歴史を感じさせるためにUがなかった時代の雰囲気を出すべくBULGARIではなくBVLGARIというスペリングを採用したのだそうです。
こんなところにもUとVの歴史がちょっと見られますね。
参考文献 原島広至著『英語解剖図鑑』KADOKAWA(2021)
国際協力団体、翻訳・通訳会社での勤務を経て、現在はフリーランスで英語講師、翻訳、通訳に従事。予備校での講師経験や、大学や企業でのTOEIC講師担当経験も持つ。またドイツでの留学経験も活かし、ドイツ語も仕事にしています。
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