みなさん、こんにちは。
今回も語源をテーマに書いてみますね。
シリーズ前回の記事、「【英語学習ーボキャブラリー・ビルディング】語源を知って、映像で単語イメージをつかむ!(4)」を見逃した方はこちらからどうぞ!
まずは諸説についての説明から
語源や意味の発展過程って「諸説あります」のことが多いですよね。
そんな「諸説あります」かもしれないものを信じて大丈夫なのか?そもそも、もしかしたら「うそ」を信じてしまっているかもしれないのに、意味はあるのか?ということを、大学のときに考えていました。この疑問を指導教官の先生(英詩研究の専門家)に投げかけたところ、
「そんなもん、いろんな説があっていいんです。大事なことは、言葉がそうやって発展してきたという筋道を言葉に見つけることであり、その筋道が間違っているかもしれない、ということは二の次。筋道が言葉に与えられるとより生きたものとなるんですから」
随分と自分なりの解釈になってしまいましたが、要約するとこのようなことをおっしゃってくれました。つまり
・説は正しいほうがいいけど、それよりも大事なのは語源を考えること
ということですね。
ということで、諸説あるかもしれませんが・・・と言い訳でした。
一見繋がりのない意味の英単語の語源を探ってみよう!
さて、今回は実際に僕に寄せられたことのある質問をもとに書いてみますね。
ちなみに質問主は僕の弟。最近、英語を使う部署に転属となり、いろいろと英語についても疑問があるようで、ちょくちょくメッセージで質問をもらうのです。
英語メールの書き方やフレーズの微妙なニュアンスを尋ねてくることもあるし、「そういえば、」というような疑問のこともあります。
あるとき僕に尋ねてきたのは、
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「express = 表現する」は覚えたが、これは「特急列車」と同じ単語ではないか。なぜ「表現する」と「特急」が同じ単語なのか?これは偶然か?」
***
という内容でした。
そうですよね、わかります、わかります。
結局は「もう2つの意味があるものとして覚えてしまうのがよい!」というものもありますが、なにか関連があるのだったら解明したいですよね。
僕も即座に答えられなかったので調べてみたのですが、まとめると、
★ express: ex「外に」+ press「押す」
→「思っていることや考えていることを外に出す/表す」
→「表現する」
→「明らかにわかるようにする」「明示的にする」
→「特徴的にする」「特に」「わざと」
→特定の目的地にしか止まらない
→特急列車
・・・と発展していったようです。最後の2行がなんだかこじつけっぽいですが、でもそれでも、なにか意味のルールとを考えることが大事だ、という先生の言葉を信じます・・・
他にもある、全く異なるようにみえる意味を持つ言葉
これも実際に僕のレッスン中に頂いた質問です。
***
exclusive(形容詞)「排他的な」「高級な」
とあるが、「排他的な」と「高級な」がなぜ同じ語で表せるのか??
***
これも、「覚えてしまいましょう!」と済ませることもできるのですが、気になりますよね。
★ exclude: ex「外に」+ clude「閉じる、閉める」
→外に追い出して閉める(牧場で羊を外に出してから柵を閉めるイメージでしょうか)
その形容詞であるexclusiveは、
→「排他的」
→「一部の限られた人しか入れない」
→「高級な」
・・・と意味が広がっていきました。
また、
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compliment「賞賛」「賛辞」は覚えた。
complimentaryが「賞賛を表す」「儀礼上の」も、まあ納得がいく。
しかしcomplimentaryには「無料の」という意味もあるのは、これはどういうことか?
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→ compliment「賞賛の気持ち」「敬意」
→ complimentary「賞賛の気持ちを表すための」「敬意を示すための」
→賞賛の気持ちを示すために送られる物
19世紀の初め頃にはこのような意味に発展していったようです。こうしてみると納得!と思っていただけることを願います・・・
ほんの少しのことですが、かけ離れているように見える意味と意味の間の間にも実はつながりがあるのです。
こう考えるとたくさんの意味を覚えるのが大変そうに見える言葉も、愛おしくなってきませんか?言葉って意味を表すための記号ですが、実は有機的にそれぞれが繋がり合っているのですね。
国際協力団体、翻訳・通訳会社での勤務を経て、現在はフリーランスで英語講師、翻訳、通訳に従事。予備校での講師経験や、大学や企業でのTOEIC講師担当経験も持つ。またドイツでの留学経験も活かし、ドイツ語も仕事にしています。
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