みなさん、こんにちは、Kenです。
今回は、とある訃報を読んだことから気になり始めた単語についてです。
その亡くなった方のこれまでの功績が述べられたあと、
“Ms. Johnson is survived by her husband Thomas, son Kevin.”(名前は仮名)
とありました。
意味としては「ジョンソンさんが亡くなった。遺族は夫のThomas、息子のKevin。」
という意味なのですがなんとも日本語にしにくい英語ですよね。
文脈によっては「・・・夫のThomas、息子のKevinに”見送られ”・・・」
などと翻訳することも出来るかもしれませんね。
そうなんです、surviveという動詞をこのように受動態で使えるのです。
【よく見かけるsurviveの使い方】
自動詞:「生き残る」
例: Wild animals need to hunt to survive.
野生の動物は生き残るために狩りをしなければならない。
他動詞:「〜(事故・戦争など)を生き延びる」
例: Only two people survived the accident.
その事故では2名のみが助かった。
上記の例のような使い方はよく見るのですが、この訃報でのようなsurviveの使い方もあるのですね〜。
そこで改めてsurviveを語源的に考えてみましょう。
【survive = sur「上に」+ viv「生きる」】
(なにかより)長く生きる
というのがオリジナルの意味です。「勝つ」のような要素はありません。もちろん「何かより長く生きる」ことは自然界では「勝つ」ことなのでそのように発展していったのですが・・・
「生き残る」という意味では15世紀には使われるようになっていたそうです。
【sur 上に】
そのままのスペリングでフランス語では「〜の上」などを表す前置詞になったりもしますが、このパーツは「上に」を表します。このパーツが使われている他の単語といえば
surname 「上」+「名前」=「姓」
sirloin「上」+「腰の部分」=「サーロイン」
→ sur が sirに変化しました。
surface 「上」+「顔」=「表面」
また、superも同じルートを持つパーツで、これも「上」「超」を表します。
supermarket「超えた」+「市場」=「市場を超えたもの」=「スーパーマーケット」
superman「超」+「人」=「スーパーマン」
【viv 生きる】
ラテン語のvita がこのパーツの源です。現代でも、例えばラテン系の言語であるスペイン語ではvivir 「生きる」です。
vitamine「生」+「アミノ酸」=「ビタミン」(当初はアミノ酸が含まれていると考えられていたそうです。)
vivid「生」+ id(形容詞化するパーツ)=「生き生きとした」
revival「再」+「生」= 回復する
vital「生」+ al(形容詞化するパーツ)=「命に関わる」=「必須の」
いかがでしたか?
surviveという、十分に知っている単語でも広げて考えるといろいろ「へー」とか「ほー」とか、発見ってあるものだなあとつくづく思います。
【参考にしたサイト】
Online Etymology Dictionary
【参考にした書籍】
『ジーニアス英和(第5版)』
原島広至著『英語解剖図鑑』KADOKAWA(2021)
晴山陽一著『語源とイラストで英単語』アスカ(2015)
国際協力団体、翻訳・通訳会社での勤務を経て、現在はフリーランスで英語講師、翻訳、通訳に従事。予備校での講師経験や、大学や企業でのTOEIC講師担当経験も持つ。またドイツでの留学経験も活かし、ドイツ語も仕事にしています。
※このブログでは英語学習に役立つ情報アドバイスを提供していますが、本ブログで提供された情報及びアドバイスによって起きた問題に関しては一切、当方やライターに責任や義務は発生しません。
※ここでの情報や助言を参考に英文を書いたり下した判断は、すべて読者の責任において行ってください。ここに掲載されている記事内の主張等は、個人の見解であり当社の意見を代弁・代表するものではありません。
コメントする