はじめに
皆さん、こんにちは!
前回のリンキングに引き続き、今回も英語の音の変化をご紹介します。
英文の読解はできるのに、全く同じ英文のリスニングになると途端に聞き取れなくなる原因はこの英語の音の変化にあります。
英語の音の変化には、次の3つの法則がありました。
- リンキング
- リダクション
- フラッピング
今回は上の3つの音の変化の中からリダクションについて詳しく説明します。
リダクションって何?
リダクション(reduction)を英和辞典で調べてみると、「縮小」「削減」といった意味があります。
つまり、英語の音の変化のリダクションとは、音の「脱落」のことです。スペリング上では確かに存在しているのに、前後の音に影響されて特定の音が弱く発音されます。
リダクションの3つのルール
リダクションには3つのルールがあります。
1つずつ見ていきましょう!
破裂音+子音
ひとつ目の単語の最後が破裂音[p],[b],[k],[g],[t],[d]の場合、その破裂音は弱く発音されます。
例.
- Good job! /ɡʊ(d) dʒɑːb/ :よくできました!
- Help me ! /hel(p) mi/ :手伝って!
- Sit down. /sɪ(t) daʊn/ :座って。
- I’m just joking. /aɪm dʒʌs(t) ˈdʒokɪŋ/ :冗談だよ。
上の例文では発音記号の()の単語が弱く発音されています。
また、日常英会話でよく使われるgoing、 sitting、 comingなどの「~ing」の「g」の音も弱く発音されます。
機能語
前置詞や接続詞などの機能語も弱く発音されます。
例.
- Fish and chips /ˌfɪʃ ən ˈtʃɪps/ :フィッシュアンドチップス
- I have to go now /ˈhæf tə/ :もう行かなくては
- I was waiting for you /ˌweɪtɪŋ fər/ :あなたのことを待ってました
機能語は、ふつう話し手が強調したいことではないため弱く発音されます。
子音+h
文中の子音の後にhがくる場合、hは弱く発音されます。
例.
- I shouldn’t have said that /ˈʃʊd.əntəv/ :そんなこと言うべきじゃなかった
- Can you call him?/kɔ́ːl(h)ím/ :彼に電話してくれる?
- She is on her way here /ɑːnər/ :彼女はこっちに向かってます。
上の例文のように文中にくるhはとても弱く発音されますが、文頭にくるHは、はっきりと発音されます。
例.Have you seen him? :彼を見かけた?
この例文では、文頭のHave は/hæv/とはっきりHの音が発音されていますが、文中のHimは/ɪm/と発音され、ほぼhの音は聞こえません。
TEDを使って練習しよう
リンキングの練習でもご紹介しましたが、実際に発音の練習をするときに一番大切なことは本場のネイティブの発音を聞いて、ネイティブの発音を真似することです。
そこでおススメしたいのが、専門家によるプレゼンテーションを開催している非営利団体「TED」です。
「TED」誰でも無料でアクセスすることができますし、各動画には英語字幕と英語のスクリプトも用意されています。
英語字幕やスクリプトで聞こえない弱い音を確認しながら動画を視聴することで、リダクションを意識したリスニングと発音の練習をすることができます。
まとめ
いかがでしたか。
リダクションは、音の「脱落」です。
とても弱く発音されるため、ほぼ聞こえ音です。
そこで今回ご紹介した「TED」などで英文を確認しながらリスニングをし、聞こえない弱い音を確認してみてください。
弱い音を理解することでさらにリスニングやスピーキングスキルが向上できます。
カナダ在住のHannahです。
2012年にカナダに移住し、現在はまだまだ幼い双子の育児に奮闘中です。
最近は在宅で、英語学習系の記事の執筆や海外のニュースの翻訳などをしています。
忙しい中でも英語学習は続けており、学習歴は今年で20年を越してしまいました。
これから現地の情報や、英語学習に役立つ情報をお伝えしていきます。
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