皆さん、お元気ですか?講師のエリカです。
「つらい」を辞書で引くと、次のようは翻訳が出てきます。
tough, hard, painful, difficult
しかし、どのようなときにどの英単語を使えば良いか、悩みませんか?
日本語の「つらい」にも、様々な意味や使い方があります。
①「この表現は分かり辛い。」
②「貧乏は辛い。」
③「悲しいニュースを聞いて辛くなる。」
①は「~しにくい」という意味ですよね。この場合は、hard / difficult+不定詞を使うと良いでしょう。
○ “This expression is difficult to understand.”
○ “This phrase is hard to understand.”
△ ”This phrase is tough to understand.” 間違いではありませんが、ちょっと珍しい言い方です。
× ”This phrase is painful to understand.” 「この表現は分かると痛い。」みたいな意味になってしまいます。
では、②と③はどうでしょうか?どちらも同じような意味に聞こえますが…。
difficultは「難しい」という意味ですが、実は「つらい」という意味でも使えます。
○ “It’s difficult to be poor.” / “Being poor is difficult.”(△”Poverty is difficult.”でも一応間違いではありませんが、ちょっと違和感があります。)
○ “It’s hard to be poor.” こちらでも問題ありません。
○ “Being poor is tough.” toughでも大丈夫ですね!
△ “Being poor is painful.” そうですね…。painfulは「(精神的に、身体的に)痛い」という意味なので、少し違和感がありますが、使えないこともありません。
さて、③はどうでしょうか。日本語の主語が省略されていますが、「I」だと想定しましょう。
× ”When I hear sad news, I become difficult.”
× ”When I hear sad news, I become painful.”
上記のようにそれぞれ「難しい」「痛い」という意味ですが、なんとどちらも使えないのです!
こういう意味になってしまうからです。
「悲しいニュースを聞くと、難しい(扱いにくい)人間になる。」
「悲しいニュースを聞くと、他人に痛みを与える人間になる。」
では、toughやhardはどうでしょうか?
× ”When I hear sad news, I become tough.”
× ”When I hear sad news, I become hard.”
こちらも使えないのです。これはどういうことでしょうか。
実は、こちらは、「悲しいニュースを聞くと、ハードな/タフな人間になる。」という意味になってしまいます。ガードが固い人、もしくは、筋肉ムキムキのタフガイ、タフガールになってしまうのです。
結論から言いますと、問題は単語ではなく構造にありました。
○ “Hearing sad news is painful.”
○ “Hearing sad news is tough.”
○ “Hearing sad news is difficult.”
○ “Hearing sad news is hard.”
このように、つらいこと自体を主語に持ってくる必要があります。
‘I’という主語も登場させたい場合は、”Hearing sad news is hard for me.”など、”for ~”を使うと良いです。
このように、英語の「つらい」は人間に対して使えないので、訳すときは気をつけましょう!
日本語能力試験最難関のN1取得。幼い頃から日本文化に興味を持ち、日本語も日本人と見分けがつかないほど流ちょうに使いこなせるN1講師。座右の銘は「Challenge yourself!」
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