こんにちは、講師のエリカです。
a nice old hatはどういう意味でしょうか?そうですね、「古くて良い帽子」ですね。
では、an old nice hatは?
そうですね。順番が違いますが、同じ意味ですね。しかし、後者には少し違和感があります。a nice old hatの方が自然な英語なのです。
これを聞いて、「え?」と驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は英語では日本語と違い、【形容詞には決まった順番がある】のです!
(日本語では形容詞の順番が自由とのことですが、個人的には「良くて古い帽子」よりも、「古くて良い帽子」の方がなんとなくしっくり来ます。私だけでしょうか?)
では、その順番を見てみましょう。
量、評価、大きさ、気温、年、形、色、起源(国籍など)、物質/素材、目的
このような順番です。リストによっては「気温」が省略されていたり、多少違いがありますが、大体このような順番で合っています。
つまり、two good old red American baseball caps(二つの良くて古くて赤いアメリカのベースボールキャップ)という順番が自然で、two red old good…という順番は少し不自然です。redは「色」で、oldは「年」で、goodは「評価」なので、ネイティブはどうしても違和感を覚えてしまいます。
早速ですが、少し練習しましょう。次の表現のうち、どちらが自然でしょうか?
① a Japanese young girl
② a young Japanese girl
そうですね、Japaneseは「起源」(国籍)なので、リストのかなり後ろのほうに来ます。つまり、②の方が自然な英語になります。
では、次はいかがでしょうか?
③ a big old cotton shirt
④ an old big cotton shirt
⑤ a big cotton old shirt
この場合は、③が自然です。④では「年」が「大きさ」より先に来ていますし、⑤では「素材」が「年」の前に来ているので不自然です。
感覚を掴んでいただけましたでしょうか?
実は、不思議なことに、殆どのネイティブはこの順番の存在を知らず「感覚」だけで使っているのです。ネイティブからしたら、a big old cotton shirtが自然で、an old big cotton shirtが少し不自然なのは解りますが、「なぜ」そうなるのか、理由が解らない人が多いようです。ルールとして習っているわけではないからです。
むしろ、このルールを発見した人が凄いですね。
ネイティブもこのリストを暗記しているわけではありませんので、日本人の方にも丸暗記していただく必要はないと思います。真の「英語脳」を育てたい方は、順番のことをあまり理屈で考えず、例文などを通して感覚を掴んでいただければと思います!
ただ、この順番のことを知っておけば、「なぜ自分の英語に違和感があるのか」が解りますし、自ずと形容詞の自然な順番を意識するようになると思いますので、知っておく価値はあると思います!
日本語能力試験最難関のN1取得。幼い頃から日本文化に興味を持ち、日本語も日本人と見分けがつかないほど流ちょうに使いこなせるN1講師。座右の銘は「Challenge yourself!」
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