こんにちは、講師のエリカです。
課題を添削していると、日本語の完全否定を素直に英訳してしまった結果、思わず部分否定になっている英作文をよく見かけます。普段、皆様があまり意識されていないのかもしれませんが、日本語と英語では否定の仕方に大きな違いがあります。
要注意!”both+否定”は二人ともにならない!?
日本語で「AとBは二人とも、パーティーに行かない」と言うと、どういう意味になるでしょうか?
そうですね、当たり前ですが、AくんもBくんもパーティーに行かない、ということになりますね。
では、英語ではどうでしょうか。
A and B won’t both go to the party.
【both】は「両方、二人とも」という意味ですし、won’t はwill not(しない)の短縮形ですので、一見日本語と同じ意味に見えますね。しかし、なぜかこの文は日本語とは別の状況を表しています。
「AとBが二人ともパーティーに行くというわけではない」という意味になってしまうのです。言い換えれば、AくんかBくんかは分かりませんが、片方だけパーティーに行くということになります。
つまり、both + 否定では、部分否定になってしまうのです。
この文を完全否定にするには、
Neither A or B will go to the party.
「AもBもパーティーに行かない。」
という風に、neither (どちらも~ない) + 肯定にする必要があります。
“all” も全員ではない!?
【all】(皆、全員)も要注意です。
All of them won’t be going to the party.
こちらも、「全員がパーティーに行くわけではない。」という部分否定になってしまいます。
では、完全否定にするにはどうすればよいのでしょうか?
None of them will be going to the party.
「誰もパーティーに行かない。」
all + 否定の代わりに、none(誰も~ない)+ 肯定を使います。
“always + 否定” =”絶対行かない”というわけではない!?
時間の表現では、【always】(いつも)に気をつけましょう。
I don’t always go to parties when invited.
「パーティーに招待されても、いつも行くとは限らない。」
この文を完全否定にするには、always + 否定の代わりにnever(決して~ない)+ 肯定を使いましょう。
I never go to parties when invited.
「パーティーに招待されても、決して行かない。」
このように、always、all、bothを否定文で使うと、部分否定になってしまいますので、とりあえずこの三つの単語に気をつけましょう!
日本語能力試験最難関のN1取得。幼い頃から日本文化に興味を持ち、日本語も日本人と見分けがつかないほど流ちょうに使いこなせるN1講師。座右の銘は「Challenge yourself!」
※このブログでは英語学習に役立つ情報アドバイスを提供していますが、本ブログで提供された情報及びアドバイスによって起きた問題に関しては一切、当方やライターに責任や義務は発生しません。
※ここでの情報や助言を参考に英文を書いたり下した判断は、すべて読者の責任において行ってください。ここに掲載されている記事内の主張等は、個人の見解であり当社の意見を代弁・代表するものではありません。
コメントする