はじめに
“interaction” という単語をご存じですか。
日本語では「相互交流」と訳されたり、”communication”とほぼ同義で使われることもあります。
このinteractionが英語力を伸ばす上でとても重要であるということをご存じでしょうか。
英語教育の分野では、interactionを重要視する教師を“interactionist”(相互交流信奉者)と呼び、一つの教育流派のように呼ばれることもあります。
Interactionistの先生は、教師と生徒、あるいは生徒同士の英語での交流をとても大切に考えています。
Interaction中心の英語学習を続けるとどうなるのでしょうか。
この記事でお伝えしたいと思います。
3年間の学びの差
訳読中心の授業で学んだKと、interactionistに学んだH
はじめに、二人の高校生(KとH)の話をしたいと思います。
Kは地方の公立高校の生徒で、3年間、訳読中心の授業を受けました。
訳読中心の授業とは、先生に指名された生徒が英文を一文ずつ日本語にしながら、一緒に文法や単語を確認していく方法です。
一方のHは、3年間、横浜の公立高校でinteractionistである先生の授業を受けました。
授業中では、先生と生徒は、英語のみでやりとりをします。
教科書の英文を日本語にすることはありません。
教科書のレベルが生徒に合っていて読みやすいため、訳さなくても読めてしまうからです。
(英語のみでは理解が出来ない生徒のために、日本語訳は最終的には配られていました。)
日本語に訳す必要がないので、授業の中では「先生の英語の質問に対して生徒が考える、答える」事が中心になります。
教室内を英語が飛び交い、まるでインターナショナルスクールの様です。(ちなみに39人すべて純日本人です)
そんな3年間の英語学習をつづけ、いよいよ受験期です。
Kも受験勉強を必死に深夜まで続けたおかげか、当時のセンター試験ではHとほぼ同じ点数を取ることが出来ていました。
3年間の授業は全く違うものでしたが、二人とも受験勉強に励み、東京の同じ大学に入学しました。
ネイティブ教師の授業で歴然の差がでるKとH
大学の同じ英語のクラスで、KとHは出会います。
二人とも、ネイティブの先生の授業をとりました。
授業の中で「映画」を題材にして、ディスカッションする授業です。
センター試験の点数では、さほど差はなかったのですが、高校3年間のinteractionの差が授業の中で表面化します。
Teacher: Today, we’re going to watch a movie titled “○○”. Has anybody watched this before?
(Hがすかさず手を挙げる)
H:Yes. I think that movie is about ○○, and ○○ acts as an evil-minded thief and ○○ takes the role of a psychologist. They get close to each other in the end.(他の生徒、うなずく)
(K、固まる・・・)
その後、先生が解説を入れながら映画を一緒に見ます。
字幕はありますが、英語字幕です。
Kは全く理解できないまま、90分の授業を終えました。
授業の後に、KはHに質問します。
K「どうしてそんなに英語が話せるの?」
H「高校の授業で先生が英語しか使わない人だったから。英語だけの授業はあたりまえだったし」
K「マジかい・・・僕の3年間の英語の授業って・・・」と、自信を失う。(お話ここまで)
いかがだったでしょうか。
お気づきかもしれませんが、この記事を書いている私がK、大学時代の友人がHです。
Hは「英語は高校でもうマスターした」と見切りをつけ、中国に留学して中国語をマスターしていました。
K(私)も駅前留学など、英会話を頑張りますが、その語学力の差は大学時代も開く一方でした。
interactionの効果(まとめ)
Interactionの効果は、実は「点数化される英語力」だけではありません。
Hが初めての授業でも物怖じせず英語で発言していたように、interaction中心の英語学習を続けていると、自分への「自信」(英語ではSelf-esteem)が大きく高まると言われています。
自信がつく→もっと学ぶ→さらに自信がつく・・と言う好循環です。
そのためには日本語を介さずに、「英語のまま理解できる」、「自分の英語が伝わる」ことを日々実践していくことがとても重要なのです。
最初のステップとしては、英語で対話したり、英語で日記や意見を書いてフィードバックをもらうことがとても重要であると言うことです。
Interactionを中心とした英語学習の具体的な方法は、また別の記事で述べたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ライティングの特訓をするなら
英語テストプレミアム
“忘れること”を前提にした学習システム英語テストプレミアム"は、セットフレージングになっている英語テストを1日5分、書く&聴くを繰り返して記憶を定着させる新感覚教材となっています。 さらに日替わりテストに加えてレッスンモードも搭載。 月にかかる料金はたった990円(税込) 。手軽に"ワタシ磨き"習慣、はじめませんか? 詳細はこちら:https://www.fruitfulenglish.com/customers/TST.html
地方の公立小~高校で普通に学び、必死の受験勉強の結果、英語が苦手な大学生になる。自分のように英語が苦手な生徒を助けたいという一心で、英語講師を目指す。1年間、英語の臨時講師をしながら資金を貯め、渡米。米国大学院にてTESL(英語教授法)を取得。2年間の留学を経て、地元で英語講師として18年間、中高大学生を中心に英語を指導中。英検1級、TOEIC最高点980 海外留学サポート、英語ディベート、英検・TOEICなどの資格取得のための指導も行っている。
※このブログでは英語学習に役立つ情報アドバイスを提供していますが、本ブログで提供された情報及びアドバイスによって起きた問題に関しては一切、当方やライターに責任や義務は発生しません。
※ここでの情報や助言を参考に英文を書いたり下した判断は、すべて読者の責任において行ってください。ここに掲載されている記事内の主張等は、個人の見解であり当社の意見を代弁・代表するものではありません。
コメントする