はじめに
前回、「技能統合すると学習効率が良いですよ」という記事を書かせていただきました。
まだお読みでない方は、前回記事「技能統合(skill integration)のススメ」をお読みください。
今回は、技能統合(skill integration)を活用した勉強方法の2弾についてお伝えしたいと思います。
Listening → Writing
前回の記事では、お手軽にできるListening→Speakingの組み合わせを紹介しました。
今回はListening→Writingの組み合わせです。
手順は下記の通りです。
まずは音声素材(レベルとコンテンツが自分に合っているもの)と紙と鉛筆を準備します。
- オンライン上の音声素材(8~9割以上は聞き取れるレベルのYoutubeやPodcast, NHK World EnglishやBBCなどのニュースアプリ)を選ぶ。自分の好きなトピックで良い。
- 聴きながら、紙面上にメモを取る。この際、主旨を把握できるメモでOK。
(複数回聴いてOK) - 主旨をとらえたら、メモを見ながら内容をreproduce(Wordなどにタイプする)
その際、できる限りparaphrase(言い換え)をする。
※BBC NEWS より
(聞こえた英文)
Three new Covid-19-related deaths have been reported in Northern Ireland on Sunday.
→ (Paraphraseの例)
It has been reported that three people died of Covid 19 in Northern Ireland on Sunday.
Paraphraseすることで、語彙表現をグッと増やすことが出来ます。
必要に応じて和英辞書などを活用するとよいです。
Online Grammar Checker にかけた後、もし可能であれば、書き終えた文章をネイティブにさっと見てもらい、フィードバックをもらうと良いでしょう。
ネイティブならこう言いかえる!というアドバイスをもらえると一番良いです。
Reading → Speaking
速読・即興性を促す方法をお伝えします。
それはReading →Speakingの方法です。
- 自分の実力より少し易しめの英文を選びます。(英検準1級レベルの方なら2級の長文、といった具合です。)1段落200語以内のものが良い。
- 速音読(環境によっては速黙読)で第1段落を一度だけ読みます。
- 読んだpassageは見ないで、声に出してretellingします。(環境によっては脳内でreproduceも効果的)②③のステップを、第2段落、第3段落~という流れで英文の最後まで行います。
- (仕上げ)最後に英文全体をもう一度速音読し、英文全体のretellingをまとめに行います。
このやり方では、ニュースキャスターになりきるのがポイントです。
Reading/Listening in Japanese → Speaking/Writing in English
これは上級者向けの応用編になります。
技能統合というよりも、同時通訳に近いトレーニング方法です。
- 日本語でinput(Reading でもListeningでもよし)を行います。
- Readingの場合は、日本語ですので一回読み。
Listeningの場合は、必要に応じてメモを取っても構いません。メモは日本語がおすすめです。 - (メモをもとに)reproduceを行います。
日本語で登場する表現を、瞬間的に英語にできるか、これは同時通訳の人が求められるスキルです。
このような言語スイッチング(日⇔英)は、脳を活性化させる一面もありますが、負荷も大きいので上級者向けです。
一日15分、など時間的ルールを設けて行いましょう。
もし慣れてきたら、日本語音声にかぶせて英語を言ってみたりしてみてください。
完全に同時通訳者のトレーニングになります。
まとめ
技能統合型学習には様々な形態があります。
学習方法があっているかどうかを判断する基準は、「私たちの日常生活で行われている活動かどうか」です。
私たちが日本語を習得してきた方法を思い出してみると、良い方法が見つかると思います。
例えば、幼少期には絵本をお母さんに読んでもらいながら、分からないところは「どうして○○なの?」と質問していたはずです。
リスニングとスピーキングを、絵本という視覚教材を通して、お母さんとトレーニングしていたわけですね。
また皆さんの中には、親にかかってきた電話の対応をした経験がある人も多いでしょう。
誰からどういった内容であるかをメモに取り、そして親が帰ってきたときに伝えたと思います。
電話でリスニング、メモでライティング、メモをもとにスピーキング、といった具合に、いろいろな技能を無意識にintegrateしながら日本語を習得しました。
英語においても、同じことをすればよいのです。
4技能を有機的に結び付け、英語習得を楽しみながら行っていきましょう。
Inputとoutputを同時に行えるため、学習効率、時間効率はグッと高まります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
聴く⇔書くをさらに効果的に学べるテキスト
英語テストプレミアム
“忘れること”を前提にした学習システム英語テストプレミアム"は、セットフレージングになっている英語テストを1日5分、書く&聴くを繰り返して記憶を定着させる新感覚教材となっています。 さらに日替わりテストに加えてレッスンモードも搭載。 月にかかる料金はたった990円(税込) 。手軽に"ワタシ磨き"習慣、はじめませんか? 詳細はこちら:https://www.fruitfulenglish.com/customers/TST.html
地方の公立小~高校で普通に学び、必死の受験勉強の結果、英語が苦手な大学生になる。自分のように英語が苦手な生徒を助けたいという一心で、英語講師を目指す。1年間、英語の臨時講師をしながら資金を貯め、渡米。米国大学院にてTESL(英語教授法)を取得。2年間の留学を経て、地元で英語講師として18年間、中高大学生を中心に英語を指導中。英検1級、TOEIC最高点980 海外留学サポート、英語ディベート、英検・TOEICなどの資格取得のための指導も行っている。
※このブログでは英語学習に役立つ情報アドバイスを提供していますが、本ブログで提供された情報及びアドバイスによって起きた問題に関しては一切、当方やライターに責任や義務は発生しません。
※ここでの情報や助言を参考に英文を書いたり下した判断は、すべて読者の責任において行ってください。ここに掲載されている記事内の主張等は、個人の見解であり当社の意見を代弁・代表するものではありません。
コメントする