こんにちは。InstructorのAtsukoです。
今月は、「~らしい」 「~のようだ」という伝聞や推量の表現のお話をしたいと思います。この表現は、自分の意見というよりは、誰かに聞いたり、何かで読んだりした、ある意味不確かな情報の伝達をする際に使い、ビジネスでもパーソナルなメールでも頻繁に登場します。
皆さんも使う機会が多い表現だと思うのですが、結構、自分が使いやすいワンパターンの表現で済ませている方も多いのではないでしょうか?
私がFEで生徒さんの添削をしていて、最もよく見かけるのは、”seem” と “look” を使った表現です。まず、この二つの表現からお話しましょう。
まずは “seem” と “look like” を使ってみましょう
“seem” は、辞書で調べると、「~と見える」と訳されていることもあるかと思いますが、意味としては、「~と思われる」という方が正解でしょう。個人的な見解や推量を述べる際に使われる表現です。”seem” を使う際の構文は、基本的に二つです。
It seems (that) my boss was sick.
My boss seemed to be sick.
どちらも、「上司は具合が悪かったみたい」という意味です。最初の文は、it seemsとすることで、my boss was sickという状態は過去の話でも、彼が具合が悪かったのだろう、という自分の見解は現時点のものであることを表しています。
“look” は、「見る」という意味ですので、視覚で得た情報に関しての見解を話す際に使うと自然になります。”seem” は、視覚も含め、何らかで得た情報からの主観的な見解を表す感が強いです。
My boss looked sick. という際には、実際に、彼の顔色が悪いとか、フラフラしている様子を見て、具合が悪そうと思った場合に使うと自然となりますね。
“look” を使った表現には、”look like” というのもありますが、”look” と “look like” の使い分けはご存知でしょうか?
My boss looked sick. は正しい表現ですが、”look like” の後には、名詞か完全文鹿使えないため、My boss looked like sick. は不可となります。そのため、My boss looked like he was not feeling well. のようにすることで、”look like” を使って、同様の意味を表すことが可能ですね。ちょっと冗長になってしまいますから、My boss looked sick. という方がより一般的でしょう。
“seem” と “look” 以外の表現は?
まずは、副詞の”apparently” を使ってみましょう。この副詞の意味を「明かに」と理解されている方も多いと思いますが、実際には、「どうも~らしい」という意味で使われることが圧倒的に多い副詞です。使い方としては、誰かから聞いたり、何かで読んだりしたことに関して使い、自分自身では100%確実であると自信が持てない、または、確実だと言いたくない話をする際に使います。そのため、噂話に使うことも多く、社内のゴシップなどにもよく使われます。
Meagan dumped her boyfriend. Apparently, he cheated on her.
(Meaganは彼氏を振ったみたいよ。どうも彼が浮気したみたい。)
彼の浮気現場を見たわけでも、Meaganから直接聞いた話でもないので、apparentlyを使って、この情報の正確さを若干曖昧にしている感じです。
“seemingly” という副詞もありますが、この副詞は、動詞の “seem” と同様、主観的な推量を述べる感じを出せる副詞となります。
His speech was seemingly well received by the crowd.
(彼の演説は聴衆の好評を博したようだった。)
ただ、”seemingly” は、「うわべだけ」という意味で使われることも多く、特に、名詞句の一部として使われる際には、その意味で使われることが多いです。
a seemingly happy couple
a seemingly easy job
これは、見た目はhappyなカップル、簡単に思える仕事、という意味で、本当はそうではない、という意味を示唆する表現を作ることが可能となります。
最後にもう一つ、”as far as” を使う表現をご紹介しましょう。例えば、
As far as I know, his restaurant is a success.
と言えば、”私が知る限り、彼のレストランは成功している” という意味になります。
一見、”~らしい” ”~のようだ” という表現とは違う印象を持つかも知れませんが、”自分が知っている範囲では” という前置きをすることで、自分の意見や情報が100%確実なものではないというニュアンスを作ります。そのため、先ほどの文も、”私が知る限り、彼のレストランは成功しているようですよ。” と訳すと自然になります。
いかがでしたか?次回、”~らしい” という表現を使いたくなったら、いつもと違う言い方を試してみて下さいね。
海外で学び、アメリカでの生活が20年以上。英語力はネイティブレベル。アメリカの公認会計士として15年以上働いた経験があり、豊富な実務経験を活かしたビジネスライティングの指導には定評がある。お客様評価も高く人気のある先生。
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