こんにちは、羊の数が人口よりも多いニュージーランドに暮らすA.Mioです。
忘れがち!?形容詞に使うハイフン
FEで課題を添削していてよく訂正することがあるポイントの一つに、2つ以上の単語をつなげて形容詞的に使う際のハイフンがあります。
例えば、
Kate is a 20-year-old model from Australia.(ケイトはオーストラリア出身の20歳のモデルです)
がそのよい例です。‛20歳’のが形容詞的に機能して名詞modelを修飾していますので、20/year/oldの間にそれぞれハイフンが置かれます。
また、いくつかの単語をつなげて一つの単語として機能させる場合も、単語と単語の間にハイフンが置かれることがあります。Mother-in-law(義理の母)がその代表的な例ですね。これらは会話では意識されないところですので、実際に書いてみると案外ハイフンが忘れられることが多いように思います。
ニュージーランドでよく見る名前に使うハイフンとは?
さて、様々な場面で使われる英語のハイフンですが、実は意外なところでも使われているんです。
ここニュージーランドではハイフンを含む苗字を持つ人がとても多いことに驚きます。
こちらで暮らしていると、Mike Brown-SmithさんやJess Makenzie-Greenというようなハイフンで2つの名前が繋がれた苗字をよくみかけます。日本の苗字で例えると、‘山田―鈴木さん’や‘斎藤―近藤さん’といった苗字に相当します。日本では現時点では夫婦別性が原則としては認められていないので、結婚すると男性/女性のどちらかの苗字に変わるのが一般的であり、子供はその名前を継ぎますので、2つの苗字をハイフンでつなげた日本の苗字をみかけることはほとんど(?)ないですよね。
ニュージーランドの社会背景が反映する苗字に使うハイフンのわけ
では、なぜニュージーランドではハイフンの入った名前が多く存在するのでしょうか。
それはその社会背景が関係しています。こちらではde facto(ディ ファクト)と呼ばれる日本語で言うところの事実婚の関係を保つカップルが法律的に結婚しているカップルと同じくらい多くいます。
de facto関係は12か月以上共に暮らしていることが証明できれば法律的にも効力を持ち、一方に非があって破局を迎えた場合は財産分与や慰謝料の請求、または親権も婚姻関係のある場合と同等の権利が認められます。
逆に結婚していて離婚する場合には、別居を2年以上経てからではないと裁判所が離婚証明書を発行してくれません。よって、子供の有無に関わらず、de facto関係をずっと維持している人がとても多いのです。
もちろん理由はこれだけではなく、ただ単に結婚という枠にとらわれたくない、という理由の人もたくさんいます。ちなみに、以前の私の書いたブログで触れたニュージーランドの若手女性首相Jacinda Ardernは2018年首相就任直後に妊娠・出産・育休を経験していますが、パートナーでテレビプレゼンターであるClarke Gayfordとは結婚はしておらず、de facto関係を維持しています。
そのようなカップルに子供が出来た際に子供の苗字はどうなるかというと、ほとんどの場合は母親と父親の苗字をハイフンで繋げた先に述べたようなBrown-Smithのような苗字が作られるのです。
実際、先日私の息子が通うdaycare(日本の保育園にあたります)の名簿をみてみると生徒の半分近くがハイフン持ちの苗字であることに気がつきました。
言語を学ぶ際に、つい言葉の習得のみに集中してしまうものですが、その言語を使う人々の社会背景や言葉のバックグラウンドを知るのも、興味深いものですよね。所変われば異なる価値観や習慣があるのは当然のことですので、英語を学ぶ中でそれを使う人々/社会についての理解を深めるのもまた大切なことかもしれません!
ハイフンを使う単語をパターン別で見てみよう!
<今日のポイント>
今回はハイフンでつなげて使われる単語hyphenated wordsを何パターンかご紹介させて頂きますね!
【分数】
(例)Two-thirds of students have the flu.
(3分の2の生徒がインフルエンザだ)
【2つ以上の単語をつないで名詞を修飾する複合形容詞を作る場合】
(例1)Tom has a 40-foot-long boat.
(トムは40フィートのボートを持っています)
(例2)Katie is a well-known actress.
(ケイティはよく知られた女優だ)
【混じった人種を表す場合】
(例)Mrs.Ogawa is a Japanese-American.
(オガワさんは日系アメリカ人だ)
日本だけでなく海外でも英語指導経験のある講師。大学卒業後一貫して言語指導に取り組んでおり、学習者の立場になり分かりやすく、親しみのある指導を心がけています。ニュージーランドで日本語指導経験もあり、教えるということに関してはまさしくプロ!
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