皆さんこんにちは、羊の数が人口よりも多いニュージーランドに暮らすA.Mioです。
言語は生き物のようで、常に進化していくものです。日本語でも毎年世相を反映する面白い言葉や造語が流行ったりしますが、英語でもそれは同じです。
英語の新語、NOMOPHOBIAとは?
先日、
「最近新しくNOMOPHOBIAという言葉が登場しました」
というニュースをテレビで目にして、何だか今の世界の流れを映す上手い造語だな、と思いました。
これは〇〇〇PHOBIAという形で使われる単語を元にしています。PHOBIAはもともとはギリシャ語の‛恐怖‘を表す単語に由来しているそうです。
NOMOPHOBIAは、No Mobile Phone Phobiaの略で、
定義としては” a psychological condition when people have a fear of being detached from mobile phone connectivity”、
つまり、人が携帯電話とのつながりから切り離されたときに感じる恐怖感を表しています。
現代社会ではスマートフォンの普及により、多くの人々が携帯電話を常に使うことから離れられないことが問題にもなっていますが、このNOMOPHOBIAはその極端な例ですね。
他にもよく使われる!〇〇〇PHOBIA=‛〇〇〇恐怖症’という英語表現
〇〇〇PHOBIAという語はこれ以外にも、社会的な場面や日常生活の場面でも使われることがよくあります。
XENOPHOBIA(外国人嫌悪)
英語のニュースに触れていると、ここ数年XENOPHOBIAという語をよく耳にします。これはギリシャ語を起源とするXENO(外国人)にPHOBIAが付け加り‛外国人嫌悪‘という意味合いになります。アメリカではトランプ氏就任後に彼の政権による排他的な移民政策がなされた際に、このXENOPHOBIAという語がニュースで使われていたように思います。アメリカだけではなく、ヨーロッパでも2015年頃の難民危機の流れの中で、治安や雇用圧迫を懸念する現地の人たちの極端な反応をこのXENOPHOBIAという語を用いて表現されていました。
ちなみに、形容詞ではXENOPHOBICの形で用いられます。
(例)The attacks have been described by police as racist and xenophobic.
(警察によるとその襲撃は人種差別的で外国人嫌悪的なものと言われています。)
CLAUSTROPHOBIA(閉所恐怖症)
普段の生活場面で非常によく使われる表現にCLAUSTROPHOBIAもあります。こちらは‛閉所恐怖症‘を意味します。
20年近くも前の事ですが、自分が独身だった頃にロンドン在住の姉夫婦とエジプトのカイロへ旅をしたことがあります。カイロといえばピラミッド、、、というこで、ある日ピラミッド見学に行きました。義理の兄は昔から閉所恐怖症なので、ピラミッドの中の暗くて狭い空間に耐え切れず、思わず以下のように言って呻いていました。
(例)I feel claustrophobic and I can’t breathe!
(狭いところが恐ろしく感じて息ができないよ!)
これはちょっと極端な例ですが、先日ここニュージーランドでアメリカ人の友達とコロナ渦における国境封鎖(ニュージーランドは小さな島国なので、まるで鎖国です)について話していた際に、彼女の口からこんな表現が出てきました。
(例)This border closure has made me feel utterly claustrophobic.
(この国境封鎖でものすごく閉所恐怖症的に難じるよ。)
小さな場所に閉じ込められる恐怖感、という意味ではこんな風に比喩的に使ったりもできるんですね。
ACROPHOBIA(高所恐怖症)
その他、代表的なものとしてはACROPHOBIA(高所恐怖症)もよく使われます。勿論、単にI’m afraid of heights.ということもできますが、さらりとI’m acrophobic.ということもできます。
何でもかんでも〇〇〇PHOBIAの形が適用できるとは限りませんが、英英辞書で扱われている範囲のものからいくつかをご紹介しますね:
Arachnophobia (The fear of spiders) Ophidiophobia(The fear of shakes)
Trypanophobia (The fear of injection) Mysophobia(The fear of germs)
へえ、こんな使い方もあるんだ、と驚かれた方もいるかもしれませんね。冒頭で触れたNOMOPHOBIAも実に興味深い新しい造語ですが、そのうち辞書に掲載される日が来るかもしれませんね!
日本だけでなく海外でも英語指導経験のある講師。大学卒業後一貫して言語指導に取り組んでおり、学習者の立場になり分かりやすく、親しみのある指導を心がけています。ニュージーランドで日本語指導経験もあり、教えるということに関してはまさしくプロ!
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