私の住むニュージーランドはよく、‛人口よりも羊の数の方が多い‘と表現されます。確かに小さな国ですし、お隣の国、オーストラリアに比べるとサイズも人口も小さく、世界の中で飛びぬけて存在感があるとは言い難い国です。
しかしながら社会的なシステムがある程度しっかりと整備されており、完璧ではないものの、労働者の権利もしっかりとしています。また、社会の考え方も比較的リベラルです。
そのよい例が、2017年に37歳の若さで就任したジャシンダ アーダーン(Jacinda Ardern)首相が就任して間もなく妊娠を公表し、産休を取った際に、国中が祝福ムードに沸いたことによく表れていると思います。彼女は6月に出産した後に6週間の産休に入り、8月にまた復帰したところです。
さて、その‛産休‘という言葉を英語ではどう呼ばれるかご存知でしょうか?きっと多くの方の頭に真っ先に浮かぶ単語はMaternity leaveなのではないかと思います。ここニュージーランドを含む多くの英語圏では、この産休のことを一般的にParental leaveと呼びます。Maternity leaveが女性が取得する権利がある産休・育休であるのに対し、Parental leaveは父親(または里親)もそれを取得する権利がある人に含まれます。
一般のニュージーランドのParental leaveは出産後18週間(今年から22週間に引き伸ばされるようです)が有給休暇(Paid Parental Leave)で、その後は1年間無給ではありますが、育休を取得することが可能です。これは母親、父親のどちらが取得しても構わないことになっています。私自身も2017年に息子を出産した際はこのParental Leaveの制度を利用しました。
ちなみに出産関係の別の単語でmaternity class(母級学校)という言葉が日本では浸透しているように思いますが、こちらでは父親も参加するのが当然、ということで、Parental classという呼び方をします。何だか現代の社会背景を反映した単語ですよね。
社会背景や風潮を映した単語といえば、ジェンダーの差を配慮した単語をよく目にしたり、使ったりする機会が増えているように思います。代表的なものには以下の単語があります:
Chairman(議長)→chairperson
Fireman→firefighter
Spokesman→spokesperson
Waiter/waitress→food and beverage attendant
Stewart/stewardess→ flight attendant
言葉は生き物、という風によく言われますので、時代の流れを反映した新しい言葉がこれからもどんどん増えてくるのかもしれませんね。そんな事も少し頭に入れながら英語の単語を学ぶのがより興味深くなるかもしれません!
日本だけでなく海外でも英語指導経験のある講師。大学卒業後一貫して言語指導に取り組んでおり、学習者の立場になり分かりやすく、親しみのある指導を心がけています。ニュージーランドで日本語指導経験もあり、教えるということに関してはまさしくプロ!
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