こんにちは、講師のエリカです。今日は、かなり訳しにくい単語についてお話したいと思います。
日本の主食はなんですか?そう、「米」ですよね。
では、アメリカの主食は?
パン?パスタ?ライス?ジャガイモ?なかなか「これだ!」というものがないんですよね。そもそも、「主食」という概念がかなり日本独特かもしれません。少なくとも英語圏の人はあまり「主食」のことを気にしません。私自身も、日本に来て初めて「主食」という概念に出会いました。
「主」という字は“main”と訳すことが多いので、私はずっと、若干考え方が違えど、主食は“main dish”、おかずは“side dish”で良いだろうと思っていました。しかし、日本の食堂で衝撃的な出会いをしてから、その考えがいっぺんに覆されました。その食堂のメニューでは、「おかず」が“main dish”と訳されていたのです。
言われてみれば、確かに欧米では、お肉の方が“main”(つまり、一食の中で一番大事なもの)だという考えが強く、日本で「主食」とされている炭水化物は”side”に格下げされています。なので、「主食」をうっかり“main dish”と訳してしまうと、誤解を招く可能性があります。考え方が真逆なので、ちょっと厄介ですよね!
逆に言えば、「主食」は“side dish”と訳すことができそうですね。しかし、side dishだけだと、「main dishと共に食べるもの」というニュアンスになり、「その国で最も頻繁に食べられている炭水化物」というニュアンスを表すことができないので、万能選手ではありません。
では、これを念頭に置いて、
①「日本の主食は米です。」
②「あなたの国の主食は何ですか?」
③「最近、チョコレートが主食です。」
という日本語は一体何と英訳したら良いのでしょうか?
一つは、staple foodです。上記の通り、欧米人はあまり主食のことを気にしないので、頻繁に使われているわけではありませんが、
①“Rice is a staple food in Japan.”
②”What is the staple food in your country?”
で十分伝わると思います。ただ、考え方の違いがあるので、
③“Lately, chocolate is my staple food.”
は、ちょっと伝わるか微妙です。
しかし、「主食」を無理やり訳さなくても、同じようなアイデアを表すことができます。
①“We often eat rice in Japan.”“We eat rice almost daily in Japan.”や、
②“What carbs do you usually eat in your country?”
などでもOKです。“carbs”は「炭水化物」という意味ですね。
③は、チョコは炭水化物とは言えないので、carbsは使わないほうが良い気がします。
③“I’m eating mainly chocolate these days.”
“I’ve been sustaining myself on chocolate lately.”
“I’ve been eating a lot of chocolate lately.”
などと訳すと、最近チョコばかり食べていることが伝わると思います。
でも、身体に悪いので、チョコの食べすぎには注意しましょう。
日本語能力試験最難関のN1取得。幼い頃から日本文化に興味を持ち、日本語も日本人と見分けがつかないほど流ちょうに使いこなせるN1講師。座右の銘は「Challenge yourself!」
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