はじめに
英検準1級合格を目指す人向けに、長文問題の解答のコツをお伝えします。
また、英検の長文を理解することは、ライティング対策にもなるのです。
この記事を読んで、リーディング力とライティング力を同時に伸ばしましょう。
今回は空欄穴埋め形式の第2問を例に見てみます。
実際の問題(2021年第3回 大問2)
Donor Premiums
In recent years, it has become common for charities to give donor premiums — small gifts such as coffee mugs-to people who donate money to them. Many charities offer them, and it is widely believed that people give more when they receive donor premiums. However, researchers say that donor premiums tend to ( 26 ). Most people initially give money because they want to make the world a better place or help those who are less fortunate. When they receive gifts, though, people can start to become motivated by selfishness and desire. In fact, they may become less likely to donate in the future.1. use up charities’ resources
2. change donors’ attitudes
3. encourage people to donate more
4. improve the public’s image of charities
正解は2 (寄付者の態度を変えてしまう)
英語のルール①具体例で説明する
タイトルは「寄付者へのおまけ」といったところでしょうか。
タイトルだけでは推測しにくいですが、1行目の導入文で具体例を入れ(small gifts such as
coffee mugs)、具体的にdonor premiumsがどういったものか説明してくれています。
英検に限らず、英語では「具体例を挙げてわかりやすく書く」という鉄則があります。
読み手に親切に(reader friendly)書くということは、ライティングの最も重要な要素です。
また、本文中ではダッシュ—で具体例を入れています。
日本の学校ではあまり教えてくれませんが、ネイティブはよく使うテクニックです。
ぜひ真似してみたいですね。
英語のルール②ディスコースマーカーで推測しやすく
英文3行目の文頭に、Howeverが使われています。
逆接の「しかし」であることはみなさんご存じだと思いますが、このディスコースマーカーが解答のカギになっています。
Howeverの直前で、it is widely believed that people give more when they receive donor premiums(寄付者は贈り物を受け取ると、もっと寄付をすると広く信じられている)と述べられています。
しかし実際は、「贈り物を受け取ると、むしろ寄付しなくなったり、寄付者達は欲深くなってしまう」と書かれています。
このHoweverを挟んで、「寄付者への贈り物→however→悪影響になる」という流れがパラグラフの中でつくられているのはお気づきでしたでしょうか。
そのことに気づければ、2(寄付者の態度が変わる)の正解にたどり着けます。(空欄の後ろ部分を読めばさらに確実に正解にたどり着けます)
このHoweverの様なディスコースマーカーひとつで、同じパラグラフの中でも大きく話を逆方向に展開することが出来ます。
そして、ディスコースマーカーの後ろが筆者の主張であり、主張をより際立たせる効果もディスコースマーカーにはあるのです。
パラグラフライティングの中で、ディスコースマーカーを効果的に使えば、主張がより伝わる文章が書けるようになります。
ぜひご自身のライティングに応用してみてください。
英語のルール③ 表現豊かに
今回のパラグラフの中から、ぜひ真似したい表現・文法を抜き出しました。
- In recent years, (recently以外の同等表現)
- it has become common for charities to give donor premiums (it構文、現在完了)
- — small gifts such as coffee mugs-(ダッシュで挟む具体例)
- charities 「寄付者/慈善団体」
- it is widely believed that「広く信じられている」
- initially「はじめのうちは」
- make the world a better place(使える日常表現「世界をよくする」)
- those who are less fortunate(those who~/ less形容詞)
- When they receive gifts, though, people ~ (文中though)
- become motivated by selfishness and desire(応用が利く表現)
- become less likely to ~ 「より~しなくなる傾向にある」
一つの段落から、これだけ有益な表現が見つかります。
これらの表現をライティングに応用しないのはもったいないです。
英検の問題は良く作り込まれていますし、間違いのない表現ばかりですから、長文を読んで終わりにせず自身の英語のブラッシュアップに使っていきましょう。
まとめ
以上、英検準1級の長文問題からライティングに応用できるポイントを3つお伝えしました。
実際、私が英検1級のライティング対策としてモデルにしていたのは、英検準1級の長文でした。
英検1級のライティング対策において、1級レベルの語彙を使う必要はありません。
「1級には準1」「準1には2級」のように、一つ下のレベルの表現を盛り込んでいった方が時間の節約になりますし、それで十分ライティングセクションの満点を狙えます。
この記事を読んで下さりありがとうございました。
皆さんがリーディング(長文)とライティングを一緒に学び、短期間で目標とするレベルに到達することを願っています。
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地方の公立小~高校で普通に学び、必死の受験勉強の結果、英語が苦手な大学生になる。自分のように英語が苦手な生徒を助けたいという一心で、英語講師を目指す。1年間、英語の臨時講師をしながら資金を貯め、渡米。米国大学院にてTESL(英語教授法)を取得。2年間の留学を経て、地元で英語講師として18年間、中高大学生を中心に英語を指導中。英検1級、TOEIC最高点980 海外留学サポート、英語ディベート、英検・TOEICなどの資格取得のための指導も行っている。
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