添削時などに目にするコメント「英語の前置詞は厄介だ!」
皆さんこんにちは、羊の数が人口よりも多いニュージーランドに暮らすA.Mioです。
長年英語を教える仕事に携わる中でよく耳にするコメントの1つに「英語の前置詞は厄介だ!」というものがあります。
「onは~の上に乗っている/触れている、というのがコアイメージです。」と言うのは簡単ですが、実際の使われ方を見てみると生きているうちに全ての用法を身に着けるのはムリそうだな、、、なんて思ってしまうほど様々な使い方があります。
日本語の学習者に「桜はきれいです。」と「桜がきれいです。」の違いを上手く説明するのが案外難しいのと同じく、前置詞の説明もなかなか難しいことがしばしばあったりします。
さて、そんな厄介な前置詞の1つであるonとoff。
前置詞としての使い方だけでも悩むのに、実はそれ以外の意外な使い方も多々あるクセモノです。今回はそれらについて、ちょっと見ていきましょう。
前置詞「on」と「off」の意外な使い方
onの意外な使い方
上でも少し触れたように、前置詞として使う場合のonはおなじみ「~の上に」ですよね。
(例)There is a cat on the chair.
(猫が椅子の上にいます)
onの意外な用法の1つに下のような形容詞としての機能が挙げられます。「エッ、onが形容詞!?」と思ってしまいますよね!
(例)It’s not on!
(それは受けれられないよ!)
onを形容詞として使う場合の意味の1つに「~を受け入れる」といいうものがあります。
通常は否定文と共に使われますので、上の例のように「受け入れられない」といった意味合いで聞くことが多いです。
この”It’s not on!”ですが、イタズラ好き4歳坊主がいる我が家ではニュージーランド人の夫が日々よく使うフレーズとしてお馴染みです。
昨晩もウドンが食べたかった息子に『ウドン、今家にないから白いゴハンね~。』と差し出すと、皿を思わず床にパシャッ!と投げつけた彼。
私は心が折れそうで数秒の間、無言で宙を眺めていましたが、夫はすかさず”IT IS NOT ON!”と息子を叱っていました。
ちなみにこの形容詞用法のonは言い換えるとacceptableになりますね。
offの使い方にも注意!
offはonやatなどに比べると前置詞の代表選手、というイメージではありませんが、辞書を引いてみると実に様々な使い方があり混乱してしまう語の1つだと言えます。
offには‛~から離れて‘というコアイメージがあります。前置詞として使う場合は以下のような使い方になります。
(例)She fell off her bike.
(彼女はバイクから落ちた)
この場合はバイクから体が離れるイメージがわかりやすいですよね。
前置詞以外にはoffには形容詞や副詞としての用法もあり、意味もそれぞれ異なります。
(例)I’m off to work.
(私は仕事に行くところです)
これはoffが副詞として使われてoff(~から離れて)とto(~へ)を上手く組み合わせた表現ですね。ネイティブ話者も非常によく使う日常表現です。
形容詞として使われるoff
手強いoffの用法はまだ他にもあります。じつは形容詞として意外な意味で使われたりもするんです!
(例)This milk smells off.
(このミルクは腐った匂いがする)
イギリス英語ではこのようにoffを‛(食べ物が)腐った・古くなった‘という形容詞の意味でも使います。
あまりに沢山の用法・意味がありすぎてすべて覚えるのは不可能かもしれませんが、これらの語の意外な使い方を知っておくと、より自然な英語表現に役に立つかもしれません!
日本だけでなく海外でも英語指導経験のある講師。大学卒業後一貫して言語指導に取り組んでおり、学習者の立場になり分かりやすく、親しみのある指導を心がけています。ニュージーランドで日本語指導経験もあり、教えるということに関してはまさしくプロ!
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