みなさん、こんにちは!
前回に引き続き、ボキャブラリー・ビルディングに役立つ語源の話をしてみますね。(前回の記事を見逃した方はこちらからどうぞ!)
英語の単語にも漢字の「へん」や「つくり」のように、パーツごとに意味があり、そのパーツを知っているだけで意味が想像できたり、知ってる単語でもよりイメージがクリアになったりします。
語源を知っていると記憶力が増す、というわけではありませんが、なにか「ひっかかり」となるような情報とともに覚えると、情報は忘れにくく、また忘れても思い出しやすくなります。
英単語を語源のパーツから覚えよう!
さて、今日のパーツは!
[st / sta] 停/立つ
「停」も「立つ」も「じっとしている」という共通点がありますよね。ピタッと止まって動かない、のイメージです。なので
★ stand 「立つ」
もうこれはそのままですね。
★ stage「ステージ」
sta「立つ」age「場所」
★ stop「とまる/とめる」
あえて訳はひらがなで書きましたが「停まる」「止まる」「留まる」どれも「ぴたっと動かない」状態になることですものね。
★ stack「積み重ねる」
これも「積み重ねる」と動かなくなりますものね。
★ stare「見つめる」
じっと視線を動かさないことです。
★ station「駅」
列車が「停」まるところですね。
ところでこの st / sta はラテン語由来のパーツで、そもそもは est / estaのように前に e がつく、という場合もあったようです。
このことは、スペイン語の
「駅」 estación (エスタシオン)
からもわかりますね。
ところでスペイン語では「星」は、
「星」estrella(エステレージャ)
といいます。そうなんです勘の良い方はもう気がついたかもしれません。
これ、英語の starと仲間であることがわかります。
そうなんです、英語の star も実はこの [st / sta] 停/立つ の仲間なのです。
英語では st = スペイン語では est
ということが起こっていると考えられますね。
でもあの空の星と「停」「立つ」は結びつきにくいですよね。
そのコンセプトは、
「空に張り付いて動かないもの」
なのです。確かに季節により、時間により星座は空ごと移動しますが、星同士の間隔は変わりません。そこで「動かないもの→st」という考え方でこの言葉ができあがったのでしょう。
***
ということで、eが付く場合の [st / sta] 停/立つ の英語の例としては、他には、
★ estate「地所」
esta「立つ」→ 立っている状態 → 地所
★ establish 「設立する」
esta 「立つ」にする
などなどあります。
***
さて、eのつかないst / sta にもどりますと
★ substance「物質」「実態」
sub「下」sta「立つ」→ 下に立っているもの → 支えるもの → 基礎的なもの →「物質」「実態」
という由来です。
と、ここで sub を登場させてしまったので sub についてもいくつか紹介しますね。
★ submarine「潜水艦」
sub「下」marine「海」
もうこれは絵のように見たままですね。
★ subway「地下鉄」
sub「下」way「道路」
これも同じく、見たまま。
★ submit「提出する」
sub「下」mit「置く」 → 下に置く → 「提出する」
はいどうぞ、とデスクに置いて見せるような動作でしょうね。
で、mitは・・・
と永遠に終わらないので今回はこのへんで!
ほんと、しりとりのように延々と続いて、きりがありません。
みなさんもぜひ語源「沼」にいらしてくださいね。
国際協力団体、翻訳・通訳会社での勤務を経て、現在はフリーランスで英語講師、翻訳、通訳に従事。予備校での講師経験や、大学や企業でのTOEIC講師担当経験も持つ。またドイツでの留学経験も活かし、ドイツ語も仕事にしています。
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Ken先生、こんにちは。英語読解力トレーニング講座ではお世話になりました。
講座テキストの語源によるボキャビルの項目について、使い方について質問するつもりでしたが忘れていました。が、丁度タイムリーに解説いただいたようでありがとうございます。
このブログも楽しみにしておりますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
nobuさん、コメントありがとうございます。読んでくださっていてうれしいです。語源、知れば知るほど楽しくなりますよ!