今回は「知覚動詞」についてご説明していきます。英語の勉強をしていると「自動詞」「他動詞」「知覚動詞」「使役動詞」…など、動詞に色々な名称が付いたものが登場しますね。それらの特徴をしっかり理解し、自分で判断できると質の高い読解力を発揮することができるようになります。ただ頭から日本語に訳しているだけでなく、工夫をして理解すると、常に正しい答えを導き出せるようになります。
そこで今回はその中で「知覚動詞」をピックアップし、シンプルにまとめてご説明していきたいと思います。ぜひ「知覚動詞」について確実な知識にして、資格試験などの際にも本番で活かせるようにしておきましょう。
知覚動詞を使う時の文構造
まずは日本語から理解していきましょう。「知覚動詞」の「知覚」とは簡単に言うと「人間の感覚を通して感じること」です。難しいことはありません、要するに目を通して「見る」、耳を通して「聞く」、肌で「感じる」、「気づく」ということです。これを英語にするとsee、watch、hear、feel、noticeですね。もちろんこれ以外にもありますが、これらがいわゆる「知覚動詞」というものです。この知覚動詞には、表現によって(目的語の動作によって)ある特別な文構造を作ることがあります。それが以下の3パターンです。
①知覚動詞+目的語 (O) +原形不定詞 「Oが…するのを~する」
②知覚動詞+目的語 (O) +現在分詞 (ing形) 「Oが…しているのを~する」
➂知覚動詞+目的語 (O) +過去分詞 (p.p.) 「Oが…されるのを~する」
特に難しいものではないと思いますので、上記のパターンを覚えておきましょう。そして英文を読み進める中で知覚動詞と出会った瞬間に、「あ、これはあの3パターンのどれかに当てはまるのかな?」と疑えるようにしておきましょう。
ご覧いただいてわかる通り、違いは後ろの原形不定詞か現在分詞か過去分詞かの違いだけです。それぞれどのように使い分ければいいのか簡単に見ていきましょう。
まずは①のパターンからご説明していきます。これは後ろに原形不定詞がきており、「Oが~する」という状況を説明するものです。以下の例文を見てみましょう。
I saw something move in my room. (私は部屋で何かが動くのを見た)
He heard his children laugh in the park. (彼は公園で子どもたちが笑うのを聞いた)
目的語と原形不定詞は能動的な関係になっていますね。これが原形不定詞をとる①のパターンです。
次に②のパターンを見ていきます。これは後ろに現在分詞(ing形)がきていて、「Oが~している」という状況を説明するものです。以下の例文を見てみましょう。
・I saw my friend playing soccer at school. (私は学校で友達がサッカーしているのを見た)
・She noticed someone singing in the bathroom. (彼女はお風呂で誰かが歌っているのに気づいた)
目的語と現在分詞が能動的な関係で、しかも「~している」となるのでその動作が継続している状況を説明していますね。
最後に➂のパターンを見てみましょう。これは後ろに過去分詞(p.p.)がきていて、「Oが~される」という状況を説明します。以下の例文を見てみましょう。
・He saw a cake eaten by his brother. (彼は兄にケーキを食べられるのを見た)
・The man noticed his money stolen by someone. (その男性は誰かにお金を盗まれたことに気づいた)
こちらは目的語と過去分詞が受動的な関係になっていますね。これが➂のパターンになります。以上が知覚動詞を用いる際の特別な文構造となります。これらの仕組みをしっかり把握し、瞬時に判断できるようにしておきましょう。
さて今回の「知覚動詞」についてはいかがだったでしょうか。字面的に一見小難しそうに見えますが、その仕組みは至ってシンプルです。目的語がどのような動作をしているかで、原形不定詞になったり現在分詞になったり過去分詞になったりするだけです。会話でもライティングでもすぐに使えて便利な表現ですので、何度も声に出して発音したり、問題演習などを繰り返して解き実践で応用できるように準備しておきましょう。
国際系の大学を卒業後、オーストラリア留学、某国産自動車ディーラー営業職、子ども英会話教室マネージャー、公立中学校の特別学級の担任、都内にある某有名出版社の英文添削者(主に国公立難関校志望の生徒さんを担当)を経験。さらに中学・高校の英語の教員免許取得、英検準一級合格、TOEIC730(2020年1月受験結果)、メンタル心理カウンセラーの資格を活かし、10年以上英語担当の塾講師として全国の学習者の指導に当たっている。また不定期にセミナー講師(心理学を応用した英語学習や自己啓発、スピリチュアル関連)も務めている。
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